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パートナー企業と連携でかゆいところに手が届くサービスを提供

もはや地図を超えた「Googleマップ」はパートナーと共に進化する

2017年08月23日 09時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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東京ドームのインドアマップ。ブロック番号が表示されている

実は難題山積!? 屋内ナビゲーション

 現在も不完全でありつつ、進化を続けているのが「屋内での位置測位」だ。特に駅やショッピングモールなどのナビゲーションを求める人は昔から多い。方向音痴(実は筆者もそうだ)にとっては悲願であるが、個人にとってだけでなく、ビジネス的にも要求が強い機能だ。施設内で店舗の位置を正確に指示できれば、そこには大きなビジネス価値が生まれるからだ。

 位置測位については、現在は「Wi-Fiの信号を使いつつ、その関係を機械学習で解析して位置把握に使っている」(後藤さん)という。現状、完璧な方法とは言い難いものの、位置測位専用のビーコンがなかなか普及しないこと、他の方法でも完璧な精度を目指すのが難しいことなどから、今は妥当な選択と言える。

 だが、位置測位以上にまず必要なのが、建物の中の情報である。一般的な地図と違い私有地の中なので、当然、勝手に測っていいわけではない。基本的には、その建物の権利者と話し合いの末情報を提供してもらう。現在は、空港や駅、ショッピングモールにスタジアムといった公共の場を中心に、数千箇所がカバーされている。だが、これも簡単な話ではない。こうした建物内のデータはグーグル内で処理され、Googleマップに実装されていく。

段差のあるフロア構成をしている、東急ハンズ渋谷店のインドアマップ

平澤さん 例えば、2つのビルが渡り廊下でつながった建物の場合、つながった場所が片方は2階でもう片方は3階……ということがあります。その場合どうするのか? 移動中に階数表示が変わる方法も検討はしたのですが、結局は建物ごとに切り替える方法を採用しています。もっと複雑な例もあるんです。美術館に巨大な螺旋階段があって、1階から最上階まで吹き抜け……という。こういう時も「階数表示」には悩みます。

 日々、当たり前に使っているGoogleマップだが、その裏では多数のデータが使われ、我々が見過ごしがちな情報の扱いに悩みながら開発が行われている。この過程こそ、我々が暮らしている世界の情報を「デジタルデータとして活用可能にする」ことそのものであり、グーグルがずっとやってきていることだ。その公共性ゆえに、彼らの活動も、グーグル内部で閉じることなく、パートナーとの関係で出来上がる。

 だからこそ、グーグルは地図情報について「パートナーを常に求めている」(後藤さん)のである。


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