「VAVA MOOV 20」アンダー1万円で最高の音質
「1万円以下でも安心して買えて、音が良いのをください」という要望に対しては「VAVA MOOV 20(VA-BH001)」で決まりではないかと思う。充電ケースが付かないだけで、機能的にも音質的にも1万円台後半のモデルと遜色ない。
充電用のUSB端子はむき出しながら、ナノコーティングによるIPX4相当の防滴仕様。充電時に、USB端子のキャップを開け閉めする必要がなくて、とても扱いやすい。このクラスとしては珍しく、コーデックはAACやaptXに対応する(ただしe☆イヤホン扱い品のみ)。
機構的におもしろいのは、イヤーピースの下、ノズルの根元を覆うシリコンカバー。これが装着安定性の向上と同時に、耳孔の周辺をふさぐことで、音抜けを防いで低域をロスなく伝えてくる。高域の特性も暴れが少なく、フラットにまとまっている。あれこれ比べてみて、これで1万円しないというのは驚き。
でも完璧ではない。惜しい点は2つ。連続2時間という再生時間。ここはもう少し頑張ってほしかった。もうひとつは、オーディオの遅延が大きいこと。動画の音声ズレが少々大きく、音楽ビデオはもとより、映画の鑑賞にもストレスを感じる。
が、音楽を聴くだけならなんの問題もない。「モバイルバッテリーで充電するから全然平気」「ギガが減るからスマホでYouTubeなんか観ない」という方には絶好の製品ではないかと思う。
次回はトゥルーワイヤレスイヤフォンの激戦区、1万円台の製品をまとめてみよう。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ
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