実践的な情報を示して体制を構築、経験のない企業にも役立つ
ソニーマーケティングの斎藤室長は、以下のように語る。
「単にドキュメント化したものを提供するだけでなく、組織として動くことができる『仕組み』として提供し、企業を支援するものになる。また、体制やアクションプランなどを事前に整備をすることで、迅速な市場対応ができるようになる。具体的な事例をもとにした自立して動ける組織を作ることを目指す」とする。
いずれのパッケージも、現時点で料金は非公表。2017年7月にむけて、オウケイウェイヴから発表される予定だ。ツールを活用するための初期導入費用と、コンテンツのメンテナンスにかかる月額費用が必要になり、さらに、緊急時の対応において、支援が必要な場合には、別途費用がかかる。
ソニーマーケティングの阪口執行役員は、「ソニーマーケティングでは、電話のほかにも、メールやチャットを利用したサポートを行うことで、顧客満足度を高める取り組みを行ってきた。とくに、チャットではすぐに対応が可能であること、履歴が残り、手厚いサポートができるなど、好評であった。
だが、その一方で、個人スキルへの依存が高まり、さらに組織の再編やベテラン人材の流動によって、ノウハウが組織に残らないという課題も生まれた。また、効率化を追求するあまりに、早い段階でリスクに対応できず、かえって不満を大きくしてしまった例もあった。
運用やノウハウを可視化し、標準化、体系化を進め、テンプレート化した。そうしたところ、昨年から、ソネットやソニー・インタラクティブエンタテイメント、ソニーモバイルコミュニケーションズなどのグループ企業が参考にしたいという話が浮上。さらに、口コミでの広がりにより、多くの企業から視察や相談を受け、年間30社が見学をした」
「具体的にどのような体制を構築して、課題に対処していいのかわからない、あるいは経験値が低いため体制構築の網羅性に不安がある、早期に運用面でのベースラインを構築したいといった場合に活用してもらうサービスであり、顧客と企業が些細なことで揉めることがなく、リスクが発生しそうな予兆を捉えていち早く手を打つようにすることと、リスクが発生したときにどう動くかを、ソニーマーケティングの知見を生かして、コンサルティングサービスとして提供することになる」
企業向けFAQシステムを応用
一方、オウケイウェイヴ エンタープライズソリューション事業部長の佐藤哲也取締役は、「オウケイウェイヴは、企業向けのFAQシステムとして59.8%のシェアを持ち、国内ナンバーワンである。情報が整理されている可読性、すぐに見ることができる検索性、多くの人に見られている活用度が重要であり、それによって社内の情報を知的財産にする知財流通マネジメントを提案している。ソニーマーケティングのコンテンツを活用することで、充実した、リアリティがあるサービスを、迅速に利用できるようになる」とした。
また、ベルシステム24の岩下順二郎専務執行役員は、「過去3年間に対応した緊急対応事案は約130件。自主回収やリコール、サービスの不具合や契約変更などの緊急対応、そして、情報漏洩もある。これらの企業から聞かれるのは緊急ガイドラインを事前に整備しておけばよかったという声や、緊急センターの立ち上げに時間がかかったり、ノウハウを持った人材がいなかったという反省である。ソニーマーケティングが持つノウハウを活用したリスクマネジメントパッケージをサービスラインアップに加えて、初動対応から終息までをワンストップで対応できるようになる」と述べた。