ソニーマーケティングは、同社コールセンターの運営や、直営店舗であるソニーストアのコミュニケーションノウハウを活用し、顧客満足度の向上につなげるためのコンサルティングサービスの提供を開始する。
顧客対応における組織的運営体制構築のコンサルティング、製品およびサービスにおける市場対応スキーム構築のコンサルティングを、それぞれパッケージ化。カタタマーサービスのノウハウに、リスクマネジメントの視点を加えた「リスクマネジメントパッケージ」として、FAQサービスを提供しているオウケイウェイヴ、コールセンター事業を展開するベルシステム24を通じて販売する。
ソニーマーケティングは、ソニー製品の「モノ売り」に留まらず、体験やサービスを提供する「コト売り」を推進する体制を強化。ソニーストアでは、製品の販売前、販売時、販売後までをトータルでサポートする体制を構築しながら、ソニーファンづくりに取り組んでいる。
今回のリスクマネジメントパッケージは、自らのサービスノウハウを外販することで、コト売りの新たな可能性を追求することになる。
「カスタマーサービスのノウハウをパッケージ化し、提供することで、企業における顧客の信頼感向上と、リスクマネジメントを両立させるCSオペレーション体制の構築を支援。企業と顧客が良好なリレーションシップを実現し、顧客満足度を向上させることに貢献したい」(ソニーマーケティング 執行役員 カスタマーサービス本部長の阪口顕弘氏)としている。
ソニーストアで培ったノウハウを情報やテンプレ化して提供
「顧客対応における組織的運営体制構築のコンサルティング」の具体的な内容は、顧客対応時の社内基準権限の策定支援、FAQの整備支援、顧客対応スキル向上セミナーの実施などを通じて、担当者個人に依存しない組織的運営体制の構築を支援するものとしている。
苦情対応の組織的役割の明確化、顧客対応方針の社内基準の策定、クレーム対応コストの可視化と削減施策策定、階層別の苦情対応人材の育成などを行い、育成プログラムや社内資格制度の導入なども図るという。
「第1段階として、FAQの作成やガイドラインの策定、マニュアル化などを2~3カ月で用意しながら、半年間で実証。さらに第2段階として、半年をかけて実装していく。トータル1年をかけて定着させていくものになる」(ソニーマーケティング カスタマーコミュニケーション事業室長の斎藤猛氏)
FAQでは、各社に共通して利用できる汎用FAQを50個、個別の企業オリジナルのFAQを50個の合計100個を用意。「100個あれば、ほぼ対応が可能になる。すべての項目に答えを記載し、社内の運用者の考え方や判断の理解を深める」という。
また、製品およびサービスにおける市場対応スキーム構築のコンサルティングでは、組織横断的な市場対応推進体制の構築支援、社内ルールやマニュアルの策定およびドキュメント化支援、対応に必要な情報を共有できる標準的テンプレートの策定支援などを行う。
品質問題への緊急対応などの場合に備えて、事前に組織横断体制と役割分担を明確化、共有情報内容と判断基準、プロセスを整備し、各部署の業務を着実に素早く遂行できることを目指す。
関係部署と情報を共有するための「案件共有シート」、市場対応の仕方をまとめる「スタンスシート」のほか、指示系統やスケジュールなどをまとめるテンプレートも提供するという。