名刺情報がベースになっているので人をつなぐのも簡単
メッセージ機能は以前からあるが、こちらもぜひ活用したい機能だ。メールと違って、その人の項目を開くとやりとりがまとめて記録されているのが便利なところ。Facebookメッセンジャーやchatworkといったサービスを利用している人も多いだろう。Eightのメッセージも似た感じ。繋がっている人の名前をタップするとプロフィールページが開き、名刺画像の下にある「メッセージ」をタップすればいい。後は普通にチャットできる。
ビジネスに使えるのが、グループでメッセージをやりとりできる点。複数のユーザーで打ち合わせの日程を詰めたりできるのだ。さらに、前述の通り繋がっている人にしかメッセージは送れないのだが、繋がっている人が招待した人はグループメッセージに参加できる。人を紹介する際、自分がハブになって両者を引き合わせることができるのだ。
その際、紹介された初めての人の名前をクリックすると、名刺情報だけでなくキャリアサマリや職歴、学歴なども閲覧できる。アイコンに顔写真を設定している人が多いので、あらかじめ顔を把握しておけるのもいい。初対面時の雑談が非常に楽になること請け合いだ。Google検索するのではなく、本人が公開している情報なので引かれることもないだろう。
Eightを使ったワンランク上の名刺活用技
Eightアプリで名刺データを直接交換することもできる。Bluetoothを利用し、周囲のEightユーザーを検出するのだ。ワンタップするだけで名刺画像を交換してEightでつながれるので、より多い情報を一瞬で共有できるのが便利。今はまだ、ビジネスの現場で初めて顔を合わせた相手に「Eight使ってますか?」と聞ける状況ではないが、もっと普及してくれればアリになるかも。紙の節約にもなるし、登録の手間も省ける。ミートアップイベントや飲み会などでは積極的に利用したい。
また、講演をすると、終了後に参加されている方が並んで名刺交換するのだが、Eightなら登壇者と一斉に名刺交換できる。その上で、話をしたい人に時間を割けるので効率的だ。
登録された名刺データの検索は人名や企業名でなくてもいい。「広報」や「人事」といったキーワードでも抽出できるのだ。部署やエリア、肩書きなどで絞り込み、特定の人に向けたセミナーの案内なども簡単に行なえる。
ときどき、フィードに日経電子版からのトピックスが表示されている。これは無作為に表示されているのではなく、名刺交換した相手の会社が表示されているのだ。取引先や顧客の情報は早く得るほど価値がある。ビジネスマンにとっては地味にうれしい機能だ。
月額400円もしくは年額4000円の「Eightプレミアム」プランを契約すると、3つの特典が得られる。まずは、優先してデータを入力してもらえるようになること。通常ユーザーと比べると3分の1の時間で入力してもらえる。状況によって大きく変わるのだが、ざっくり6時間くらいで入力される。午前中に登録した人は夕方帰社することには登録されているのだ。メールアドレスを手打ちするのが面倒で出せなかった御礼メールもさくっと送れるようになる。
2つ目が全項目入力。氏名や電話番号、メールアドレス、部署・役職、郵便番号、住所、FAX番号、携帯電話番号、WebサイトURLのすべてを入力するというものだ。無料の場合は状況によて氏名と会社名、メールアドレス、電話番号のみになる可能性がある。
3つ目が名刺データをCSV形式でダウンロードできるようになること。フリーランスなら、取引先に年賀状を送るためのリストを手軽に作成できる。PRのためにメールマガジンの送付リストを作るのも簡単だ。ダウンロードしたリストをいじっていて面白かったのが住所で絞り込めたこと。筆者の活動拠点である五反田駅周辺に名刺交換した企業が20社以上あったのだ。これは挨拶回りとか、どこかに行くときに近くの会社のアポをまとめたり、いろいろなことに使えそう。ちなみに、ダウンロードはPC版のEightから操作する必要がある。
また、通常名刺データの入力し直しは1枚30円かかるのだが、現在はプレミアムサービスを登録すると過去の名刺のデータも入力し直してくれる。これは過去の資産を無駄にせず、さらに活用できるようになるのでうれしいところだ。ちなみに、将来プレミアムサービスを解約してもデータは保持される。
名刺の管理に時間をかけるのは無駄なので、可能な限り効率化したいところ。名刺交換の多いフリーランスやビジネスパーソンはEightを活用することをオススメする。広い範囲でコミュニケーションの濃度を上げていれば、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が高まることだろう。
筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。

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