低価格版HCI製品、IoTストリームストレージなど「Dell EMC World 2017」レポート
「VxRail」の月額払いモデル、ヴイエムウェアIoT管理製品など発表
2017年05月16日 07時00分更新
5月8日~11日(現地時間)にラスベガスで開催された、米Dell Technologiesのプライベートイベント「Dell EMC World 2017」。ストレージ製品の“全面刷新”をお伝えした前回記事に続き、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の「Dell EMC VxRail Appliance」新版や、HCI製品における「月額払い」の製品購入モデル、さらにヴイエムウェアの新製品などについてご紹介する。
急成長するHCI市場向けに、より安価な「VxRail」や「XCシリーズ」を投入
ITインフラ製品市場において目覚ましい成長を遂げているHCIだが、中でもVxRailはHCI市場平均比で4倍のスピードで成長している(2016年第4四半期、IDC調査、Dell EMC発表より)という。
Dell EMC自身も、HCI分野には大きく注力している。基調講演に登壇したDell EMCプレジデントのデイビッド・ゴールデン(David Goulden)氏は、企業データセンターインフラの「モダナイズ(最新鋭化)」戦略に触れる中で、それを最も迅速に実現する手段はVxRailやVxRack、VblockといったHCI/CI製品の導入だと語った。
昨年の同イベントでハードウェアをPowerEdgeサーバーに刷新したHCIアプライアンスのVxRailでは、新版となる「VxRail 4.5」が発表された。これは、最新の「VMware vSphere 6.5」および、フラッシュストレージでの性能を「VMware vSAN 6.6」を搭載したモデルとなる。
新たにシングルプロセッサーモデルも投入され、「3ノードクラスタで2万5000ドルから」のスモールスタートが実現するとしている。このモデルは中小企業やブランチオフィスでの導入に向くだけでなく、プロセッサ単位のライセンスを採用するソフトウェアのコスト削減に適するという。加えて、Dell EMCからリモートサポートを提供する「Dell EMC Secure Remote Services(ESRS)」にも新たに対応する。
なお、VDI/アプリケーション仮想化用途での導入を容易にする「Dell EMC VDI Complete Solutions」も発表されている。これはVxRail(またはvSAN Ready Node)と「VMware Horizon」を統合済みで提供するパッケージ製品で、ユーザー数に応じて最適なハードウェア/Horizonライセンスが提供される。後述する月額支払いの購入モデル「Cloud Flex for HCI」と組み合わせることで、1ユーザー(1シート)あたり月額8ドルから利用が可能。
ニュータニックス(Nutanix)製ソフトウェアを搭載したHCIアプライアンス「Dell EMC XCシリーズ」でも、エントリー価格を2万5000ドルに引き下げた「XC430 Xpress」モデルが発表された。拡張性の面で「最大4ノードまで」という制限があるが、こちらも中小規模の企業層に向けたアピールとなる。
また、Dell EMCのデータ保護製品である「Avamar VE(Virtual Edition)」や「Data Domain/Data Domain VE」が、XCシリーズに対応した。これにより、これまでのXCシリーズでは利用できなかったバックアップやDR(災害対策)の機能が利用できるようになる。
さらに、ピボタル(Pivotal)との技術連携に基づき、XCシリーズ上でPaaS基盤ソフトウェア「Pivotal Cloud Foundry(PCF)」を稼働させるためのリファレンスアーキテクチャを作成し、顧客への提供を開始している。
一般提供開始(米国において、以下同様)は、VxRail 4.5が今年9月から。一部の新機能については、VxRail 4.0においても今年6月から提供する。また、XC430 Xpressは今年6月から一般提供を開始する。