VAIOは個人向け。そんなイメージが強いかもしれないが、現在力を入れていて、導入も進んでいるのが法人向け市場だ。
VAIO株式会社は、特に2017年初頭から「VAIO、法人向く。」のキャッチフレーズの下、より法人に認知されるべく再始動しだした。もともとコンシューマーには人気の高い製品だが、現場で使う人の声をくみ取る形で、エンドユーザー主導の導入も増えているとか。実際、軽量で機動性高く使え、モバイル通信なども利用しやすいのは利点だ。
その魅力はどこにあるのか? 敢えて法人モデルに絞ってみてみよう。
デザイン性と使い勝手、品質の高さがVAIOの持ち味
ソニーからスピンアウトする形で、VAIO株式会社が発足し、今年で3年目。VAIO株式会社が手がけている製品は、VAIO ZをはじめVAIO S15やC15など数多くラインアップがあるが、法人専用モデルとして展開している製品は現在4種類だ。
個人向けモデルも含めすべての製品は、過酷な品質検査に耐える堅ろう性や「安曇野FINISH」と呼ばれる長野県安曇野市にあるVAIOの工場で全数検査がなされたうえでの出荷。ユーザーの手元に届いた際の品質の高さ一級品と言えよう。
さらに法人専用モデルは、お客様の要望に合わせて、製品のカスタマイズや導入時のセットアップ作業(キッティング)も行なわれており、より柔軟な対応してくれる。安曇野工場ですべて作業して出荷されており、届いたらすぐに利用できることで、作業の負担が大幅に軽減される。
ソニー時代と違い、VAIO株式会社というこれまでより“小さな”会社となったいま、ユーザーの声に耳を傾け、より信頼性の高いものづくりを目指してきた。デザイン性や使い勝手へのこだわりに加え、高い品質への追求が、VAIOの原動力となっている。そんな法人専用モデルのラインアップを順に見ていこう。
どこでもネットができるコンパクトモバイル
VAIO Pro 11 | mk2
VAIO株式会社の直販限定モデルの1つが、VAIO Pro 11 | mk2だ。11.6インチ液晶を搭載し、A4サイズよりひとまわり小さいボディーは、最薄部が16.4mmで重さは約920g~940g(モデルによって異なる)と軽量。片手で持ってもボディー歪もほとんどなく高剛性で、落下や加圧、振動など各種品質試験をクリアした堅ろう性の高いモデルだ。
液晶は広視野角のフルHD仕様で、低反射加工により、屋外での利用でも見やすい。VAIO Z譲りの静寂キーボードにより、周りをあまり気にしなくてすむため、場所を選ばず作業できる。また、キートップも防汚コーティングが施されており、指紋がつきにくく、使用後に油分を拭き取る必要もない。使い込んでくると、どうしてもテカってきてしまうが、そういったこともなく長く使えるのは嬉しい限りだ。
このモデル最大の特徴は、SIMフリー対応のLTEを内蔵しているところ。テレワークなど場所を選ばず作業したいとき、ネット接続は重要だ。スマホのテザリングを利用するより圧倒的にネット接続がラクなので、ビジネスで利用するならLTE内蔵タイプを選びたい。
通信速度は、下り最大150Mbps、上り50Mbpsで、対応LTEバンドは、1、3、8、11、19、21の周波数帯をサポートしている。スロットのサイズはmicroSIMだが、市販されているアダプターを介せばnanoSIMでも利用できるので、最近主流のnanoSIMで格安SIM回線を契約しておき、いざというときはケータイでも利用できるようにするといった使い方もできそうだ。
モバイルとして重要な要素の1つとして、バッテリー駆動時間がある。Pro 11は公称値約15時間連続駆動が可能で、LTEモデルでネット接続して利用しても約8時間持つ。これだけ持てば、1日充電することなく作業できるので、モバイル性はとても高い。また、付属のアダプターも超小型のタイプで、USB端子もついているため、別途スマホなども充電が可能。出張時にもかさばることなく、スマホ用の充電アダプターも必要ないのはありがたい。
インターフェース面では、日本のビジネス事情を反映しつつ、最新技術への対応も行なっている。まず、VGA端子とLAN端子搭載。プロジェクター利用時にまだ、アナログRGBの環境が多く、またホテルでは有線LAN環境も少なくないため、どんな状況でもフレキブルに対応可能だ。
また、USB 3.0はもちろん、最新のUSB Type-Cにも対応する。より高速にストレージなどとやりとりできるほか、USB Type-C対応のドッキングステーションを別途用意すれば、オフィスではディスプレーやキーボード、ストレージと接続し、外出時はケーブル1つ外すだけで出かけられる、利用用途の切り替えも手軽だ。
このようにVAIO Pro 11 | mk2は、オフィスでも外出先でも活用できるメインマシンとして、利用価値の高い製品といえよう。
「VAIO Pro 11 | mk2」の主なスペック | |
---|---|
OS | Windows 10 Pro/Home/7 Professional |
CPU | Core i3(2.3GHz)/i5(2.3GHz)/i7(2.5GHz) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 520(CPU内蔵) |
ディスプレー | 11.6インチ液晶(1920×1080ドット) |
ストレージ(SSD) | 128 Serial ATA (6 Gb/s)、 256/512GB PCI Express x 4 (32Gb/s) |
メモリー | 4/8GB(オンボード増設不可) |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac |
カメラ | 92万画素 インカメラ |
インターフェース | USB 3.0×2、USB Type-C/Thunderbolt 3兼用×1、Gigabit Ethernet、VGA、3.5mm音声出力ジャック、SDスロット |
無線WAN | 3G対応(バンド 1,8,11,19) LTE対応(バンド1,3,8,11,19,21) ※Wi-Fi+LTEモデルのみ |
駆動時間 | 最大約14~15.2時間(Windows 10の場合。LTE通信時は約8時間) |
サイズ | 284×190.4×19.1mm |
重量 | 920~940g |
価格 | 15万6384円から |
VAIOオリジナルLTEデータ通信SIM
VAIO Pro 11 | mk2と合わせて選びたいのが、VAIOオリジナルSIM。通常の格安SIMは、月ごとに支払うケースが多いが、このオリジナルSIMは年契約のプリペイド方式なので、最初に一括で支払ってしまえば、解約の手続きも必要なく契約期間利用できる。このため、最初に経費精算するだけですむので、会社的にも管理しやすい。
1年、2年、3年契約があり、それぞれ32GB、64GB、128GBの容量が使え、LTEによる高速通信と制限なく使える200kbpsの低速通信を自分で切り替えられるので、メール利用時は低速、Webブラウジング中はLTEなどと使い分けて通信容量の節約も可能だ。
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