CPUコアをまったくのゼロから設計した、AMDの「Zen」アーキテクチャー初の製品として登場したばかりの、8コア/16スレッドのCPU「Ryzen 7」。最近、大きな変化のなかったハイエンドCPUとしては久々の注目製品だ。このRyzen 7の1700/1700X/1800の3モデルのうち、1700Xを搭載したゲーミングPC「GALLERIA AG」が早くも登場した。
Ryzen 7にはクーラーなどの冷却性能に合わせてクロック数を上げてくれるEFR(Extended Frequency Range)というオーバークロック機能が搭載されているが、XがつくモデルはEFRによって高められるオーバークロックを倍に設定しているタイプとなる。
「GALLERIA AG」はこのCPUに加え、GPUにNVIDIA GeForce GTX 1080を搭載し、高負荷処理を要求される3Dグラフィックスへの対応も万全な体制のゲーミングPCとなっている。その性能がどのくらいなのかが気になるところではあるが、今回は「GALLERIA AG」の外観などについて紹介しよう。
筐体は冷却効果を最大限考慮しているガレリア専用のフルタワー型ケース。本体サイズは幅207mm×奥行き520.7mm×高さ450.2mmとかなり大きめだ。前面に配置された5インチ拡張ベイの数がかなりの迫力を持っている。全体重量は13.9kgとなっており、動かすとき、腰を痛めないように注意したい重さだ。
USBポートは前面にUSB 3.0が2基、背面にUSB 2.0 2基とUSB 3.0 6基の合計10基と、ガレリアシリーズとしても最大級のポート数。背面のUSB 3.0のうち1基はType Cのポートになっており、これまでのUSB機器を接続するには変換アダプターなどが必要だが、Type Cを除いても9基のポートがあるので、USBポートが足りないということはまずないだろう。
背面の拡張スロットはPCI Express x16が1基、PCI Express x4が1基、PCI Express x1が4基の合計6基用意されている。PCI Express x16はすでに埋まっているので、拡張できるのは5基となる。映像出力はDVIとHDMIが1基ずつあるほか、DisplayPortが3基あり、機器を追加することなくマルチディスプレー環境を実現することができる。
メモリーは16GB DDR4 SDRAM(8GB×2)を標準搭載。メモリースロットは4スロットあり、このうち2スロットを使っているが、すべてのスロットに16GBメモリーを装着し最大64GBまで増やすことができる。
ストレージはSATA 6Gb/s接続の2TB HDDが標準搭載されている。さらに現在、500GBのSSDが無料アップグレードとしてついてくるので、ディスク容量で困ることはないだろう。また、光学ドライブはDVDのスーパーマルチドライブを搭載している。Blu-rayの読み書きが必要であれば、ドライブの変更は可能。変更は8000円程度で行なえる。
入力デバイスとしてはUSB接続のキーボード(GALLERIA Gaming Keyboard)とレーザーマウス(USB接続)が付属している。USB接続をPS/2へ変換するアダプターが1つ用意されているので、キーボードをPS/2端子に接続し、マウスをUSB接続とするといいだろう。
なお電源は700Wの静音電源となっているので、想像よりも音は静かだ。
「GALLERIA AG」の基本構成は次の通り。
試用機の主なスペック | |
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機種名 | GALLERIA AG |
CPU | AMD Ryzen 7 1700X(8コア16スレッド、定格3.40GHz、最大3.80GHz) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX1080 8GB GDDR5X |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 500GB SSD+2TB HDD |
光学式ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
インターフェース | USB 3.0端子×8(Type A×5+Type C×1)、USB 2.0端子×2、DVI、DisplayPort×3、HDMI出力端子、マイク端子、ライン入力、ライン出力、PS/2端子、SDカードスロット、有線LAN端子 |
電源 | 700W静音電源 |
サイズ/重量 | およそ幅207×奥行き520.7×高さ450.2mm/約13.9kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
冷却状況によってオーバークロックが変わるEFRを搭載しているRyzen 7。ゲーミングPCとしても、筐体内の熱の処理は一つの問題となるわけだが、「GALLERIA AG」では通気口の配置、空気の流れなどを考慮し、熱による不安定な稼働を抑える設計となっている。次回は、空気の流れを考慮したケース内部などについて解説する。