ごきげんよう、アスキーのグルメ担当ナベコです。馬肉料理は高級というイメージはないでしょうか? 浦和に12月にオープンした「大衆馬肉酒場 三村」はそんな印象を覆す、気軽に馬肉料理を堪能できるお店。
みなさん馬肉の餃子って食べたことありますか?
珍しい「馬肉餃子」が食べられる!
馬専門店の三村は馬刺や桜鍋など馬肉料理の定番も揃えていますが、一品料理も馬肉づくし。「うまい餃子」(450円)は中身の餡が馬肉なんですよ。6個入りでこの価格なので、気軽です。
割ってみると餡がきれいな桜色でしたよ。餃子は一般的に豚肉を使いますが、馬肉を使うことで脂が抑えられ、赤身らしい旨みが凝縮していて大人好みのおいしさでした。馬肉は脂が重くないのでパクパクと一気に食べられ、ついつい二皿目もいってしまいそうでした。
馬って、旨いのです。
馬肉の唐揚げもメニューにあります。「絶品馬唐揚げ」(750円)は少し値が張りますが、中身をレアに仕上げていてまさに絶品!! 肩バラあたりの部位を使用しており、味わいは淡白なのにジューシー。レモンを搾るとさっぱりと食べられます。
酒好きの記者にはうれしいことにアルコールメニューも充実しております。「サッポロ黒ラベル 1リットル筋トレジョッキ」(880円)はジョッキの重さを入れると2kgはあると思われます。馬肉食べながら、ビールで筋トレ! あれ? なんか健康的じゃないですか?
カンパーイ!!
「馬肉料理をリーズナブルに」がテーマ
三村は「馬肉料理をリーズナブルに」というテーマの“馬肉酒場”。運営は「庄や」チェーンを展開する大庄さん。店舗はもともと庄やに利用されていたということですし、広々としており、カウンター席、テーブル席、座敷席がそれぞれ用意されています。
宴会や飲み会にも使えるし、仕事帰りにひとりでサクッと馬肉料理をつまみに酒をあおるのもよさそう。
店舗の場所は浦和駅西口から徒歩5分程度。リーズナブルな飲食店が並ぶ通りで“大衆酒場”というイメージがぴったり合いました。東京からは外れていますが、浦和は池袋から湘南新宿ラインで20分程度とそこそこアクセスが良いのですよね。
さて、酒が進む一品料理はほかにも「桜なめろう」(550円)、「ハツモトコリコリ揚げ」(480円)、「馬肉のフレンチタルタル」(1000円)などがありました。
中でも感動したのはフレンチタルタル。餃子、唐揚げと居酒屋的なメニューを食べてきましたが、フレンチタルタルはレストランで食べる高級料理のような味。細かくトロトロにした馬肉に刻んだエシャレットなどを加えて、洋風のソースに絡めて仕上げているそう。
正直に言ってほっぺたが落ちる! ビールよりも白ワインのような吟醸の日本酒が合うかも。うわあ、馬肉のタルタルがこんなにおいしいなんて。ちょっと驚きです。
馬肉の真髄を味わいたいならやっぱり「馬刺」
もちろん馬刺もあります。三村では桜刺と呼んでいますね。「そんなにおいしい馬肉を食べたことがない」という人は、一回馬刺を食べて馬肉の真髄を味わってみると良いでしょう。おいしい馬肉を生で食べると感激しますよ~。部位によって味わいも違ってきます。
盛り合わせは「桜刺 三点盛」(1280円)と「桜刺 五点盛」(1750円)が用意されています。記者は五点盛を食べましたよ!
五点盛りには、特上霜降り、ロース、ふたえご、ちょうちんバラ、赤身、こうねが乗っています。数えてみると……、あれ6種?
白い小さな切り身はこうねといってタテガミの下の脂。舌に乗せると、スッと溶けて旨みが広がります。淡白な赤身の刺身と一緒に食べると、脂の余韻と赤身の力強さを感じられて「うま~~!」と叫んでしまうこと間違いないでしょう。ひひ~ん! いや、本当に、うまくて叫びたくなるんです。
絶品なのはロース。脂の具合がちょうどよく馬らしい味わいがたっぷりです。分厚くカットされているので、深く旨さを堪能できますよ。ああ……、お馬さん最高。
三地方の食べ方を楽しめる
馬刺は醤油とニンニクで食べるという印象が強い人も多いかもしれませんが、そうとは限りません。醤油とにんにくで食べるのは熊本流で、他に馬肉料理が盛んな地方である信州や会津ならではの食べ方があります。
醤油にショウガおろしを合わせるのは信州流、醤油に辛味噌を合わせるのは会津流です。三村ではこれら3種の食べ方が試せるほか、裏メニュー的に“塩ごま油”を出してもらえます。
記者は会津流の辛味噌を試してみたところ予想以上にずっと辛くて意表を突かれました。アクセントになっていいなあぁ。醤油とにんにくで食べるのとは違う発見があるので、来店したらぜひ全種試してみましょう。
刺身を食べたらとうとう我慢できなくなってしまいました。日本酒が欲しい!
母体が庄やグループなので日本酒のラインナップも抜かりないのです。馬肉のために厳選した地酒が500円(各140ml)から用意されているということでうれしい。値が張りますが獺祭や八海山の大吟醸もありました。「八海山<大吟醸>」は1500円。高いことに驚く前に、ここまで上等な日本酒も置いていることにびっくり。
記者は自分のための忘年会として、八海山の大吟醸も飲んでしまいました。ああ、旨い。馬もうまくて、日本酒もうまくて……。来年は午年だっけ? いや、酉年だ。頭がぼーっとしてきました。
刺身だけではなく馬寿司もありますよ。「握寿司 五点盛り」(1980円)は特上霜降り、ふたえご、ロース、赤身、炙りネギトロ細巻きの盛り合わせ。ネギトロもマグロではなく馬肉なのですよ。馬づくし。
特に脂が乗った部位が酢飯と相性が良く刺身とは違ったおいしさです。締めに食べるにはちょっともったいないので、食べるならはじめのほうにいっちゃいましょうか。そうしウマしょう(記者はもう馬に支配されています)。
大勢で来たなら「馬焼」を食べるべき
三村の看板料理のひとつは「馬焼」。テーブルのコンロで馬肉を焼くというものです。つまり馬肉の焼肉ですね。自分で馬肉を焼ける店ってなかなかないと思います。
「壺上ハラミ」(1200円)は網に乗せると煙と共にジューシーな香りが広がって、記者は感激で泣きそうになりました。食べると、脂がたっぷりだけど、牛肉よりさっぱり。どこかクリーミー。馬肉は低脂肪で高たんぱくなので、たくさん食べても太りづらいそうです(お店の人が言っていました)。
いずれも、生でも食べられるくらいの新鮮な部位なので、レア程度に火を入れて食べるのが良いということ。
どの部位も馬だけに旨みが濃いのですよね。特にロースは刺身でもおいしいし、焼いてもジューシーだし、優秀すぎます。部位のサラブレッドです。
桜鍋ですべてを忘れました(by記者)
記者はこの日、桜鍋で取材を締めました。桜鍋を食べるのは初めての体験でした。「桜鍋すき焼き」(1人前 1280円)は1人前から頼めるのがうれしいです。
割下は醤油ベースで味噌も加えれていました。味が濃くてご飯が欲しくなります。残ったおつゆに卵を溶いておじやにもできます。
ところで、都内で桜鍋やボタン鍋(猪)の名店は下町に多いですが、もともと遊郭に遊びに行く男性が馬力をつけるために食べていた、という話があるそうです。
ですが悲しいかな、食事後に仕事をしようとしていた記者の馬力は出ませんでした。仕方ないです。馬食べて酒飲んだあとに仕事なんかしてはいけません。忘年会シーズンですし、馬ですべて忘れましょう!
※記事内の価格はすべて税別表記です。
「大衆馬肉酒場 三村」浦和仲町店
住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町1-2-9 第一タナカビル2階
営業時間:17時~翌2時
定休日:無休
■関連サイト
ナベコ
寅年生まれ、肉食女子。特技は酒癖が悪いことで、のび太君同様どこでも寝られる。30歳になったので写経を体験したい。Facebookやってます!
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