現在、予約受付中のお宝付き豪華本「ウルトラマン トレジャーズ」。収録される“お宝”を眺めながら、前回に引き続き雨宮慶太監督に、ウルトラマン愛、怪獣愛について語っていただきました。
ウルトラマン トレジャーズ
●発行発売:エフェットホールディング株式会社
●企画編集:Team Treasures
●仕様:B4変型 ※ハードカバー付
180P、写真約500枚、収蔵レプリカお宝資料50点(予定)
●価格:1万7000円(税別)
●全面協力:円谷プロダクション、M1号 他
●発売予定日:2016年12月8日
●予約受付期間:2016年9月9日12時〜2016年11月30日
●URL http://ascii-store.jp/p/2016090600001/?aid=expedition4
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(使用期限は2016年11月30日まで)
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雨宮慶太(あめみやけいた)
1959年生まれ、千葉県出身。有限会社クラウド代表。TVドラマ『鉄甲機ミカヅキ』、映画『ゼイラム2』をはじめ、数多くの特撮作品で原作や監督を務める。2005年に放送を開始した『牙狼<GARO>』シリーズでは原作・脚本・監督を担当している。2017年1月から新シリーズ「絶狼<ZERO>-DRAGON BLOOD」が放送開始予定!
https://garo-project.jp/ZERO_DRAGONBLOOD/
ウルトラマンの怪獣は
別格の存在なんだよね
── 50年前のウルトラマン放映当時、監督の一番お気に入りの怪獣って何でした?
うん、ウルトラマンの怪獣はほぼみんな好き。甲乙つけがたい。ブルトンがけっこう好きだったかな。
── 四次元怪獣ブルトン!
ブルトンが出てくる回の話も好きだったなあ。不思議な形態していて、攻撃もなんか凄かったし(笑)
── 四次元現象を起こすとか無敵でしたよ(笑)
あと、ジャミラはまあ衝撃的だったね。最後、国際会議が行なわれたみたいな感じで、イデ隊員の絶叫で終わる。ほかにも、ミイラ人間とかもけっこう好きです。というか、ウルトラマンの怪獣はみんな好きです。何が凄いって、ウルトラマンに出てくる怪獣は、そのへんのちょっとしたアニメやマンガの主人公よりよっぽど知名度が高いこと。レッドキングとかピグモンとかね。人気マンガやアニメのキャラクターの絵と、レッドキングとかバルタン星人の写真見せて、どっちが有名か? っていったら。意外とこいつら相当手練れですよね(笑)
── 確かに!
そこらへんが凄いなあ、と。だから、もうどの怪獣がいいかとか語る感じじゃないんですよね。“選抜”というか“超A級”の連中なんで。
── つまり、怪獣の神セブン(笑)
そうそう、そんな感じ。グリーンモンスなんかも良かったですね。それからラゴン。ウルトラQのラゴンてメスなんですよ、おっぱいがあって。でも、ウルトラマンのラゴンはオス。こっちのほうが見たかった怪獣だと思ったかな、当時は。というか、あれ、メスの顔じゃないし(笑)
── 顔が怖すぎた(笑)
ジェロニモンも結構好きですね。怪獣なのに頭に羽があるっていうのが。
とにかく怪獣が好きだった
怪獣作ってたし(笑)
ウルトラマンってネタに無駄がないよね。ヒーローもののネタ的なものって、ほとんど全部やっちゃってる感じがしますね。ウルトラマンのあとキャプテンウルトラを挟んでウルトラセブンへと続いていくんだけど、その中でもウルトラマンは一級品というか。セブンのほうが好きだという人もけっこうまわりにいるけど、やっぱりそれはその前にウルトラマンがあったからなんだよね。ウルトラマンを踏まえた上での衝撃というか。一作目(ウルトラマン)へのリスペクトが前提での“セブンが好き”だったりするので。
── そのウルトラマンですけど、当時はほとんどの人が白黒テレビで観てるってのも今考えると驚きですよね。
ただ、カラーで補完できるような環境はありましたよ。駄菓子屋に行けば、ウルトラマンのブロマイドとか売ってたので、テレビを見ながら脳内でカラー補正できていた。だから、怪獣も含めてどんな色してるんだろうと悶々としてた感覚はないと思うんですよ。特に、ウルトラマンの身体の銀色と赤色、一度すり込まれると白黒テレビで見てももう銀と赤にしか見えなくなる(笑)
── 監督はどこに一番ハマりました?
それはもう怪獣です。怪獣作ってましたからね、そのころから。ほぼ怪獣です(笑)。ウルトラマンも好きだったけど、どちらかというと怪獣のほうが感情移入しやすかったので。
── 怪獣の造形も良かったですよね?
レッドキングとか凄い人気あったよね。必殺技はなかったけどとにかく強い。レッドキングは巨大感を出すために造形を工夫したんだよね。
── え、そうなんですか?
表面のウロコがあるんじゃない? あれ下半身のほうのウロコは大きくて、身体の上にいくほど小さくなってる。昔はワイドレンズが使えなかったので、怪獣を広角で撮れなかった。だから遠近法を使ってデザインしたの。だから下のパターンが大きくて、上のほうはパターンが小さくなってる。ディズニーランドのシンデレラ城も、下の石垣は大きいけど上のほうはどんどん細かくなっていて、目の錯覚で巨大なものに見えてる。ウルトラマンって当時そういうデザインをやってるんですよね、ホント凄いですよ。
ウルトラマンはプロの仕事
大人になって改めてわかった
で、そういうことってけっこうあとになって聞いたことで、ウルトラマンでやっていたプロの仕事というのはすごく参考になるわけです。例えば、怪獣ゴモラとかは劇場版のほうが先で、劇場版のウルトラマンが決まって前後編になっていく。だから、ビスタサイズというか13:9の横長の比率の画面で見せるので尻尾が長いんですよね、劇場のスクリーンに合わせて。顔も横長。ゴモラ以外の怪獣はテレビのフレームに合わせてわりと正方形に収まる比率になってる、でもゴモラはアップにするとテレビの画面に収まらない(笑)。あれって映画版のフレーム用にデザインしたんだなあ、と。これもあとから知ったことだったんだけど、なるほどなあ、と。映画の人たちが一生懸命作ってたんだという気がしましたね。
── ストーリーとかはどうでした?
子どものころって実相寺さんたちのやってることってあんまり面白い感じじゃなかったんだけど、大人になって見返すと、ウルトラマンってこんなことやってたんだって改めて感心するというか凄いっていうか。他には、子供が出てくる話はあんまり好きじゃなくて、でも、「育てよカメ」とかカネゴンの回は良かった。子供が主軸で描かれていて。
── 面倒くさい子供だったんですね(笑)。ところで、監督は巨大ヒーローものを撮りたいとは思わないんですか?
巨大ヒーローものって、言い方は悪いんだけど、どんなものを作っても結局ウルトラマンになっちゃうんだよね。話のバリエーションとかカタルシスとか、ウルトラマンでやってきたこと以上のドラマが描けるかというと、ちょっと難しい。だったらウルトラマンでいいじゃんという気が凄くしてて。
── だから等身大ヒーローのほうに?
そう、等身大ものってまだ伸びしろがあるというか、けっこういろんなことができる。まあ、条件とかが合えば(巨大ヒーローものに)チャレンジしてみたいと思わないことはないんだけど。
雨宮監督の新作『絶狼』と
ウルトラマンのDNA
── では、そんな等身大ヒーローものの新作のお話しを聞かせて下さい。タイトルはゼロ……でしたっけ?
『絶狼』でゼロです。ドラゴンブラッド(DRAGON BLOOD)という副題がついていて“絶狼”(ぜろ)が新たな強敵と戦う、ちょっと王道な感じのヒーローですね。話は相当ひねってありますが、基本は特撮ヒーローものです。
── 巨大化しないんですか?
しない(笑)。今回は1クール全13話の構成で、チャレンジしたのはウルトラマンと同じように1話完結感を出しながら、1話から13話までつながってる展開をどこまでできるかということ。そこは相当に気を使ったかな。一気に観ても面白いし、途中から観ても面白いという構造を相当意識してやった。偶然じゃなくて、そういうのって意識してやらないとね。毎回、この回から観る人がどう思うだろうかって、そういうふうに意識して台詞決めたり編集とかやりました。
── 30分で完結しつつ、次に続いていく、と。
倒すべき敵がいて、それを倒す話なんだけど、最後は巨大なものがって感じじゃないかな、あ、これ以上はネタバレになるので(笑)
── 楽しみです!最後にお聞きしたいのですが、 監督の中に生きているウルトラマンのDNAってどんなとこでしょ?
自分の中の決まり事というのかな、目盛りとかメーターというのはすべてウルトラマンで決まったんです。デフォルトがこれになった。30分というドラマの尺とか、ヒーローの名前がドラマのタイトルになってるとか、で、ヒーローが最後は絶対勝つという構造とか。さらに戦う相手の多才ぶりとか、すべて1話完結とか、全部ウルトラマンによって決定づけられたんです。僕にとってのウルトラマンというのはそのくらい凄いというか、もう言葉じゃ表わせないんです。
ウルトラマン トレジャーズ
●発行発売:エフェットホールディング株式会社
●企画編集:Team Treasures
●仕様:B4変型 ※ハードカバー付
180P、写真約500枚、収蔵レプリカお宝資料50点(予定)
●価格:1万7000円(税別)
●全面協力:円谷プロダクション、M1号 他
●発売予定日:2016年12月8日
●予約受付期間:2016年9月9日12時〜2016年11月30日
●URL http://ascii-store.jp/p/2016090600001/?aid=expedition4
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