直径66mmの円柱形をしているミニパソコン「Diginnos DG-CANPC」。メールやブラウジングといった利用であれば特に問題ないスペックを備えている本機。しかしながら、せっかくのこのフォルムであれば、メインマシンとしてではなく、本機に似合いそうな使い方をしたいもの。
そこで今回は、「Diginnos DG-CANPC」の特性から、それに合う利用シーンを考えてみる。
どこにでもさっと運べて使える
「Diginnos DG-CANPC」は500mlの缶くらいの大きさで、色合いも主張しすぎることがない。PC然としたパソコンであれば、リビングに常設するのをためらう人もいるかも知れないが、本機であれば、スペースも取らず、テーブルの上に置いていてもさほど違和感はないだろう。
さらに言えば、この大きさであれば必要なときにさっと取り出して使うというイメージだろう。その場合、やはりゴチャゴチャと配線がつながっていたりすると手間がかかるので、できるだけ接続するものはなくしたい。マウスやキーボードはBluetoothで接続し、ACアダプターの接続は充電することで対応。こうすることで、ケーブル類はHDMIだけになるので、本機をリビングへ持っていき、テレビにつなぐだけでよくなる。
たとえば動画配信サイトにある映画やアニメなどを大きなテレビ画面でみんなで観るというようなときには非常に便利だし、観終わった後の片付けも楽だ。あるいは家族旅行の写真をみんなで見るといったときには、microSDカードに画像を入れてテレビ画面で見ることができる。画像データをmicroSDカードに移さなければならないが、書斎のPCの場合、複数で見ることを考えていない環境も多いので、そこにみんなが移動して見るよりもいいのではないだろうか。
また本機には上部にWebカメラがついている。遠くに住んでいる人とビデオチャットをする際に、本機を使えば家族全員が参加できる。マシン自体を簡単に動かせる本機であれば、必要なときにカメラを自分に向けることができる。なお、本機のカメラは角度を調節することができ、斜め45度まで傾けることができる。
ビジネスシーンでの利用はどうだろうか。例えばプレゼンテーションなどの際、ノートPCや周辺機器などをすべて持っていってセッティングするのは、事前の準備なども含めて面倒なことが多い。そこで本機を用いれば、訪問先にHDMIでつながるテレビやディスプレイさえあればOKになる。
なお、スピーカーがついていないモバイルモニターやPCディスプレイーの場合には、Diginnos DG-CANPCから音を出すことができる。しかし、Diginnos DG-CANPCから音を出す場合には、サウンドデバイスを本機に設定する必要があり、音声はモノラルになる。
もちろんセカンドマシンではなく、メインマシンとして利用しても差し支えないが、せっかくのおもしろいフォルム、持ち運びやすい大きさのパソコンなので、いろいろと活用法を考えるのもいいだろう。
「Diginnos DG-CANPC」のスペックと快適さ
では「Diginnos DG-CANPC」の性能はどのくらいだろうか。スペック自体は前回お伝えしたが、再度おさらいしておこう。CPU-Zを用いた結果は下記の通り。
GPUがCPU内蔵のインテルHDグラフィックスであるため、負荷の高い3Dグラフィックスを用いたアプリは少々厳しいかもしれない。
続いてWindowsマシンとしての快適さを測るWIN SCORE SHAREで計測してみた。CPUは6.8ポイントとまずまずの数値。メモリの5.9ポイントやストレージの6.6ポイントも通常利用であれば支障はない。しかし、やはりグラフィックスが4.9ポイントと低いことがこの結果でもわかった。
さらにCrystalDiskMarkを使ってストレージの速度を計測してみた結果は下記の通りだ。
この結果は、タブレットPCとほぼ同じくらいの数値だ。CPUがタブレットPCに搭載されているものと同じような性能なので、似たような結果になる。逆にいえば、タブレットPCにおけるリード/ライトと同じくらいの速度だと思えばイメージしやすいだろう。
設計コンセプトとして、セカンドマシンのように使うことを想定して作られたと思われる「Diginnos DG-CANPC」なので、多少非力な部分は仕方ないところ。次回は、ベンチマークを行ない、「Diginnos DG-CANPC」の実力を測ってみる。