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業界人の《ことば》から 第219回

PCの終了は誤解、モバイル浸透する中シェア伸ばすデル

2016年11月01日 12時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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スマホによって生まれるデータに需要がある

 デル会長兼CEOは、「スマートフォン市場への参入はまったく考えていない。その理由は、世の中が、スマートフォンの会社をもう1社欲しいとは考えていないからだ。答えはそれほど簡単だ」と続ける。

 しかし、この領域において、別の角度からこの分野のビジネスに取り組む姿勢をみせる。

 「スマートフォンに保存する情報は日々増加しており、それらの情報が仕事でも利用されるようになっている。またスマートフォンは購入したときにはなにも情報が入っていないが、使い始めた途端に、あらゆる情報やアプリがデータセンターから提供される。言い換えれば、スマートフォンが1台売れるごとにサーバーの需要が生まれる。我々はそこでモバイル事業をやっている」とした。

 収益性の高いビジネスにフォーカスしているのが、デルのモバイルビジネスというわけだ。

 実は、PCビジネスも収益性の高いビジネスにシフトしているという。

 「デルは台数成長で最も成長を遂げている企業だが、現時点では台数ではトップシェアではない。だが、売上高ではトップである。利益率の高い製品を売っていることの証だ。デルはベンツのSクラスや、BMWの7シリーズといった高級モデルを売っているのと同じで、競合他社は別のものを売っている。だからこそ、デルは利益率が高い。これまで以上に利益性の高い事業にしたいと考えている」とする。

 デル会長兼CEOは、今後15年間でPCの性能は、1000倍に進化すると予測する。だからこそ、より高い付加価値を提供でき、そこに大きなビジネスチャンスがあると予測している。

 PCビジネスが、Dell Technologiesにとって、中核となる事業だと断言している理由はそこにある。

会場には平手智行社長(左)とEMCジャパンの大塚俊彦社長(右)の姿もあった

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