週間リスキー 第92回
ムリしないことで、より魅力的になることってありますよね
スペックが下がって逆に良かったSIMフリー版「Xperia X Compact」レビュー:週間リスキー
2016年10月30日 11時00分更新
ミドルレンジながらディスプレー画質やカメラは上位機種並み!
スペック的には4.6型HD解像度と同じですが、「Xperia Z5 Compact」と比較すると、明らかに画質はキレイになっていました。
キレイに映し出すための幅広い色再現領域を持つ「トリルミナスディスプレイ for mobile」や、高精細に再現する「X-Reality for mobile」といった高画質機能を搭載するといったところは従来どおり。
しかし、ディスプレーがかなり明るくなっているうえに、「ダイナミックコントラストエンハンサー」のおかげで黒の沈み込みまでしっかりとコントラストの表現ができているあたり、まるで違います。この進化はかなりわかりやすいところでした。
カメラまわりは「Xperia XZ」と同じように劇的に進化しています。
背面カメラは、1/2.3型の約2300万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」に、約0.6秒での高速起動、高速撮影や、0.03秒の高速オートフォーカスや、被写体の動きを予測して、正確に被写体を捉えてブレのない撮影が可能な先読みオートフォーカス機能を搭載。
さらに低照度でも高速かつ高精度AFができる「レーザーAFセンサー」と、々な光源環境でも忠実な色再現が可能な「RGBC-IR センサー」を搭載。
スマホのオートフォーカスの遅さは致命的で、撮ろうと思ったときには被写体がいなくなってる、なんてこともザラでしたが、撮りたいと思ったらとりだしてすぐにピントがあってシャッターがきれる、これだけではるかに使用頻度が上がります。
撮影テストをして気づいた事は、たしかにサクサクと撮れると思い、連続撮影をすると、「Xperia XZ」ではバシバシ撮れていたのに対して、「Xperia X Compact」では途中明らかに処理が追いつかなくなってしまうことがありました。このあたりが、性能の違いで現れるところのようです。
マニュアル設定で、シャッタースピード調整とフォーカス調整も出来るようになっていて、自分の撮りたい意志が結果に反映できるというあたりもXperiaならではです。
正面カメラは、「Xperia XZ」ほどの高解像度ではありませんが、約510万画素に22ミリという広角なレンズで自撮りカメラとしてはかなり使えます。
「Xperia Z5 Compact」で使えた4K動画については、処理性能に関係してか残念ながらなくなっています。
それでも、ハイビジョン動画撮影では5軸の手ぶれ補正が効くので、近くによった撮影でもブレを大きく抑えることもできるようになっていて、動画はフルHDで割り切れば高画質ムービーを残せます。
ノイキャンやLDAC対応は、やはりXperiaこそ
「Xperia X Compact」は、CDの音質を上回るハイレゾ音源に対応しつつ、さらにノイズキャンセリングを同時に使えるというのもウリポイントのひとつです。
ハイレゾ音源のイイ音を聴く以前に、電車やバスの中でまわりの雑音に邪魔されてしまうことがあると思うと、ノイズキャンセリングで少しでも静かに音楽に集中できる状態で聴けるというのはとても便利な機能です。
Bluetoothで接続してワイヤレスで音楽を楽しむ時に、従来(SBC)の最大約3倍のデータを転送できる「LDAC」にも対応しているので、「LDAC」に対応した機器(ワイヤレスヘッドホンやワイヤレススピーカー)と接続すれば、ワイヤレスでも高音質で音楽を楽しむ事ができます。
日本版とほぼ同じ機能をもつグローバル版
気になるのはグローバル版というところですが、いまや日本語ロケールには当たり前のように対応して、IMEにもしっかりと「POBox Plus」が入っています。
バッテリー容量は、2700mAhと「Xperia Z5 Compact」と変わらずでも、バッテリー消費を抑えることで待ち受け時間をより長くできるSTAMINAモードが新しく追加されています。
これは、STAMINAモードを動作中に、「電池持ちを優先」から「制限をしないで節電したい」という3段階のレベルから選択できるようになり、より細かくバッテリーを長持ちさせることができるようになっているので、使い方にあわせてバッテリーを長くもたせる事ができてこれは便利です。
また、Qnovo社と共同開発したというバッテリー制御技術や、使っている人の習慣を学習して充電速度を調整する「いたわり充電」も備わって、バッテリー自身の寿命を通常の約2倍長持ちさせることもできます。
お約束で、知っておきたい技適について。「Xperia X Compact(F5321)」に確認できた認証情報は、「EU」「US」「BY」「RU」「TW」となっていて、日本の技適マークは見当たりませんでした。
うーん。「Xperia Z5 Compact」には日本の技適は通過していたのですが惜しい残念。
触っていくうちに良さがわかるCompact機
「Xperia Z5 Compact」と比較すると、CPUや防水防じんというところだけをみると、スペックダウンのように思われがち。
でも、こうしてひとつひとつ見ていくと、コンパクトボディーだからこそのプロセッサーとメモリーによるバランスをとりつつ、カメラや細かな機能をフラグシップモデルの「Xperia XZ」とそろえたりと、魅力的なところもたくさんあります。
外観デザインも実際の現物を確認してのほうがはるかに良かったりと、海外のプレスリリース当初とはまったく違いかなり好印象です。
大型サイズにはないこのコンパクトさゆえの愛しさみたいなものがあるので、そこがツボにハマるひとにはぜひオススメです。
※著者および編集部は、技術基準適合証明(技適)を受けていない通信機器の利用を勧めるものではございません。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。各国の法律に反して利用しても、著者および編集部は一切責任を負いません。
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