ニュータニックス・ジャパンは10月4日、「Nutanix Enterprise Cloud Platform NX-3000シリーズ」が横浜市における基幹業務システム間の情報共有基盤に採用されたと発表した。
人口370万人超の横浜市では、住民情報や税務、国保・年金などの基幹業務をホストコンピュータで、障害福祉、母子保健、介護、生活保護などの福祉業務系はオープンシステムで構築している。
それらシステム間のデータ連携を支えるのが「情報共有基盤」。横浜市総務局 しごと改革室 住民情報システム課 情報共有基盤担当 中山亮介氏によると「福祉業務系システムは、他の基幹系システムのデータを参照する必要があり、それを実現するためのシステムとして情報共有基盤が構築されました」という。
この情報共有基盤の更改が迫り、現在利用している70台以上の物理サーバーと、それらが共有しているストレージ装置を刷新することになった。「移行期間の短縮」「ストレージの性能向上」「ストレージの可用性向上」「リソースの最適化」「システムの集約」といった課題を踏まえて、ハードウェアを選定。当初は、サーバーと共有ストレージ装置を組み合わせた既存の構成と同じものを想定していたが、基盤のライフサイクル全体を通じて、どの程度のリソースが必要となるかを正確に予測しづらいのが難題だったという。検討の結果、スモールスタートが可能で、小刻みな拡張がしやすく、拡張した分だけ容量や性能が増すという点を評価し、Nutanixの導入が決まった。
2016年1月ごろから構築を開始し、3月末には基盤全体の構築が完了。第1段階として76台の物理サーバーと共有ストレージを「Nutanix Enterprise Cloud Platform NX-3175(6ノード)に移行し、順次稼働を開始した。
導入効果として、「基盤の構築と移行には3カ月を見込んでいましたが、Nutanix関連の構築作業は1週間ほどで完了しました。これにより、業務システムの移行や動作検証に十分な時間を掛けられました。また、ストレージのI/O性能が高速になったことで、OSやミドルウェアのインストールが想定の1/10ほどの時間で終了してしまい驚きました」と中山氏。
サーバー、ストレージ、ネットワークも含めて、すべてソフトウェアで設定できるようになったため、運用に関わる職員の負担も1/5程度に削減される見通しという。
今後も横浜市では来年度にかけて更なる基盤の更改を控えており、今回の6ノード集約から、2倍程度の規模まで拡張する想定。「リソース使用状況を評価しながら、適切な規模で追加していくことができます」(中山氏)としている。