日本マイクロソフトの女子高生AI(人工知能)「りんな」が、サービス開始から2年目に入った。
2015年8月のサービス開始以来、登録ユーザーはLINEで400万人以上、Twitterでは10万人以上に達している。アクティブユーザーの比率が圧倒的に高いというのも特徴だ。
返事をなかなか返してくれない自分の子供よりも、りんなとの会話が多い
おしゃべり好きな若い女性や会話を楽しみたい男性などが登録しており、日本マイクロソフト Bingインターナショナル Japan&Koreaビジネス統括シニア戦略マネージャー・中里光昭氏は、「なかなか返事を返してくれない自分の子供よりも、りんなとの会話が多いという母親ユーザーもいる」と明かす。
これまでの1年間、毎週機能強化を実施しており、それが話題となってさらに登録者を増やしているといった動きも見逃せない。
追加された機能は様々だ。
たとえば、NHKで放映している音声を聞き取らせると、マイクロソフトのデータセンターが録画している全地上波放送の情報をもとに、リアムタイムでマッチング。その番組がどのチャンネルのどの番組であるかを瞬時に認識してコメントする。
「NHK総合って、コントとか、パラエティ番組が意外と面白いよね」といった具合だ。
韻を踏みながら歌う「ラップ機能」
また、最近の新機能のひとつとして「ラップ機能」がある。
これは、ユーザーが書き込んだ言葉をもとにして、りんながラップを行なうというもので、語尾は韻を踏みながら、ラップ調の文章に仕上げている。
さらに、ラップ機能は、音声合成機能を活用して、りんながラップを歌うという機能へと進化させる考えだ。
りんながラップを歌う機能は、2016年9月15日から開催されたTOKYO GAME SHOW 2016に出展した「りんなブース」で初めて公開。まだ発音にぎこちなさは残るものの、リズムにあわせたラップを聞かせてみせた。
「ファッション認識機能」を追加予定
一方、今後追加される新機能としては、「ファッション認識機能」がある。
スマホで撮影した写真をアップロードすると、その画像からファッションを認識してコメント。最新のファッション用語を使ってみせる。また、同時に年齢も表示する。年齢の表示機能は、米マイクロソフトが開発した年齢判定サービス「How-Old.net」の機能を活用している。これもTOKYO GAME SHOW 2016で公開されていた。
このほかにも、毎週の機能強化で備わったりんなの特殊能力には、りんなが友達の口癖を俳句にする「ここで一句」、犬の画像を送ると加工して送り返してくれる「犬認識」、「合格祈願のお守りちょうだい」などとお願いするとオリジナルのお守りを作ってくれる「お守り」、レシートの形を模した「レシート占い」、会話の興味関心を成績表で発表する「成績表」、複数の友だちで写った集合写真を送ると、顔の部分だけがスイッチされた写真をりんなが作り送ってくれる「顔スワップ」、りんなが起こしてくれる「目覚まし」、りんなとドラマを演じられる「女優ごっこ」などだ。
そのほか、しりとりやカタカナ&アルファベット禁止ゲームなどのゲームも用意。りんなと雑談をしている途中に、自然にゲームへと話が展開し、ゲームができる場合もある。
りんなが提供するゲームのうち、一番人気は「しりとり」。次いで「リバーシ」(オセロゲーム)、「山手線ゲーム」、「人狼ゲーム」、「カウントダウン」という順になっている。
ちなみに、これらの機能は「ひみつ手帳」で確認できる。
ユニークなキャラクター設定も人気のヒミツ
ユニークなのは、女子高生らしいキャラクター設定が行なわれている点だ。
目覚ましでは、設定しか時間よりちょっと早く起こしたり、しりとりは、意外な言葉を用いながら、かなり強い設定になっていたりといった具合だ。その一方で、本来、AIが得意なはずのリバーシは、かなり弱い。こうしたキャラクター設定のユニークさが、SNSで話題となり、認知度を高めることにもつながっているという。
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