このページの本文へ

米国だけでもすでに20万人の人材が不足

サイバーセキュリティー業界の人材不足! 取るべき対策とは?

2016年10月03日 16時55分更新

文● McAfee

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 こんにちは!

 2014年11月、国連機関(UNO)は7月15日を世界ユース技術デーに制定することを宣言しました。その目的は、技術職業教育の重要性に対する認知度をさらに高め、世界中の若者に必要なスキルの訓練を提供し、その能力を開発することにあります。失業問題が世界で深刻化しているため、この日を制定することはキャリアカウンセラーと同様に両親、学校、大学当局は次のような青年を支援する具体的な対策により一層積極的に取り組む背景となっています。

 ・業界固有のスキルの開発
 ・的確なキャリアの選択(長期的な活躍が見込めるキャリア)

 インターネットのおかげで、いまでは世界中のさまざまな求人を広く知ることができます。しかし、欠員があってもその仕事に必要なスキルがないために失業や不完全雇用に甘んじる大卒者もいます。そのため、キャリアを決定する前に雇用市場を調査することは重要です。サイバーセキュリティー業界は、今後大きな成長が見込まれる業界の1つです。

 サイバーセキュリティーと聞いたら、まず、「ウイルス対策」を思い浮かべるでしょう。ただし、私のブログを定期的に読んでいる皆さんにとっては、それだけでないことはおわかりでしょう。サイバーセキュリティーは仮想環境をサニタイズし、オンラインアクティビティーや保存データを保護するのに役立ちます。インドはインターネット接続人口が世界で2番目に多く、モバイルが経済を牽引しているため、データとリソースの保護に対するニーズが非常に重要になっています。また、モノのインターネット(IoT)が家庭でも一般化し、デバイスの相互接続(相互に通信可能なデバイス)(英文)の増加に伴って、セキュリティーの課題も増えています。

 サイバー犯罪はますます巧妙になり、セキュリティーの課題は進化と変化を続けているため、常に警戒して犯罪者より一歩先を行く対策が必要です。評判の高いセキュリティー企業は脅威を24時間365日監視し、多くの場合、業界内で協力してユーザーに安全なインターネット環境を提供しています。

 この点について、もう少し詳しく説明しましょう。接続されたデバイスの時代に突入し、より高度なセキュリティーが必要とされています。ユーザーのクレジットカード情報、ATM、コンピュータ制御の自動車を侵害するサイバー攻撃はすでに発生しています。より高度なプログラムに加え、厳格な監視と戦略も必要です。そこで、サイバーセキュリティーの専門家が必要とされているのです。

 この分野での今後の可能性はどうでしょう。NASSCOMのタスクフォースによると、世界のITセキュリティー市場の成長率は年間8%を超えることが予測されます。特に、インドでは2025年までに約100万人の雇用機会が創出されるでしょう(英文)。業界のシナリオを理解する上で重要なもう1つのレポートは、「Hacking the Skills Shortage:A study of the international shortage in cybersecurity skills」です。このレポートは、インテル セキュリティーが戦略国際問題研究所(CSIS)と共同で作成したものですが、それによると、IT専門家の82%がサイバーセキュリティーの労働力の不足を認めています。また、サイバーセキュリティー専門家の「高給」は、平均的な専門家の賃金の2.7倍と報告されています。

 インテル セキュリティグループSVP兼GMのクリストファー・ヤングは、優れたサイバーセキュリティー専門家に対する需要についてこう述べています。「米国だけでもすでに20万人の人材が不足しており、世界のサイバーセキュリティ人材不足は2020年までに200万人に達するでしょう」(英文)。

 情報セキュリティー専門家が不足すると、個人、企業、政府があらゆるタイプのサイバー攻撃に対して脆弱になるため、この問題は大きな懸念になっています。プログラミングを学び、優れたプログラミングとコーディングのスキルを身につけた倫理的ハッカーには、想像を超える大きな雇用ニーズがあります。また、参考までに、モノのインターネット(IoT)のデバイスは、2020年までに150億から2000億へと増加することが予測されており(英文)、サイバー攻撃は重要な機能へのアクセスを獲得することがその目的になるでしょう。さらに、すべての大企業ではさまざまなデジタル化の取り組みに着手するため、CSO(最高セキュリティ責任者)の重要性も増しています。インド政府の支援やデジタル・インドのようなイニシアチブによって、ビジネスの成長と安全を技術で強化する優れたサイバーセキュリティー専門家に対するニーズは、今後ますます増えるでしょう。このような将来のニーズを満たすために十代の若者が注目されています。若者はいまこそこの分野に目を向けるべきです。デジタルネイティブのこの世代はサイバーセキュリティーの必要性も理解しているため、この分野に対する関心を育てて、正しい選択を支援しましょう。そうすれば若者にとっても世界にとっても大きなメリットがあります。

 10代の子供に、「お母さん/お父さん、2年後の進路が決められない」と言われたときにどうすればいいか、これでおわかりになったでしょう。まず、サイバーセキュリティー部門の予測される成長について話し合ってください。また、その子に技術やプログラミングに対する関心や適性があるかどうか確認してください。これらは優れたサイバーセキュリティーの専門家として成功する上で重要です。この2つがあればあとは正しい道筋を示すだけです。

 これで、サイバーセキュリティー専門家の需要が増加する理由をご理解いただき、すべての疑問が解消したら幸いです。

 世界中のすべての若いネチズンの幸運を祈ります! 優秀なサイバーセキュリティー専門家の仲間になって、行く先々でサイバーセキュリティーの重要性を広めてください!!


 ※本ページの内容は 2016年8月1日更新のMcAfee Blogの抄訳です。

 原文: Cybersecurity slated to become a major employment generator – Are you ready for it?
 著者: Anindita Mishra(Intel Security’s Cybermum in India)

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中