IFA 2016は家電関連の展示も盛りだくさんでした。スマートフォンと連携して操作できるスマート家電、スマートホーム関連の展示はヨーロッパや韓国の家電メーカーが実製品を多数展示。
その中でもLGが出展していたスマートな冷蔵庫は、なんと扉にWindows 10で動く大型ディスプレーを搭載。冷蔵庫がそのままWindowsタブレットとしても使えてしまうのです。
InstaView Door-in-Door冷蔵庫は、扉の部分にタッチパネルの大型モニターを搭載した冷蔵庫。この手の製品は数年前から中国メーカーがAndroidタブレットを内蔵した製品を出していますし、サムスンもTizen OS搭載の冷蔵庫を昨年発表済み。ということで、LGもついにスマート冷蔵庫市場に本格参入するようです。
通常はスクリーンセーバーのように、現在時刻や届いたメッセージなどが表示されます。また、庫内の食材の在庫数などをあらかじめ記録しておけば、それらの情報も表示できるなど「スマート」な冷蔵庫として使うことができます。
しかし、ディスプレーの左下の隅をタッチすると、そのままWindows 10の画面が出てくるのです。搭載されているOSはPC/タブレット向けのWindows 10で、とくにカスタマイズが行なわれているわけではないとのこと。
Windows画面になれば、あとはWindows 10搭載タブレットと操作性は同じです。画面が縦長になっているだけで、アプリの切り替えなども、指先のタッチ操作で可能。なお、試作モデルのためシステム構成は一切非公開であり、メモリー容量やストレージについても非公開のようです。
Edgeブラウザーを使えば、グーグル検索やGmailへのアクセス、YouTubeビデオの視聴などWindows 10そのままの環境が冷蔵庫の扉の上で利用できます。
なお、Bluetoothも搭載しているので、恐らくBluetoothキーボードやマウスの利用は可能だと思われます。そうなるとちょっとした仕事もこの扉の画面を使ってできるかもしれません。
この冷蔵庫、Windows 10を搭載したのはスマート家電として、冷蔵庫のコントロール以外にプラスアルファの機能を加えるためのものだそうです。
また、スマートホーム関連のアプリをWindows 10環境で開発し、インストールすれば、ここから家の照明や車のエンジンをかける、などといったことも可能になるわけです。冷蔵庫の庫内の温度管理アプリなどは、実際にWindows 10で動くものがインストールされていました。
冷蔵庫を開けると上の部分に小さく「Bluetooth」のロゴが見えますが、ここには横長のステレオスピーカーが内蔵されています。スマートフォンをつないだり、扉のWindows 10側と接続して音楽やニュースを流すことも可能。
また、そのすぐ内側にはカメラがあり、庫内の様子をスマートフォンなどから確認可能。スーパーに行って「冷蔵庫に何が残っていたかな」と思った時、このカメラを通してリモートで確認ができるわけです。
また、ワンタッチで画面を消して、庫内の様子を外から見ることも可能。これは透過型のディスプレーを搭載しているためで、半透明ながらもドアを開けなくとも手前側のビールなどの残数を確認できます。これは普通の冷蔵庫にも欲しい機能ですね。
LGやサムスンは、すでに韓国で製品やサービスを融合したスマートホームソリューションを展開しています。LGは「Smart ThinQ」というプラットフォームで製品を展開していますが、クアルコムなどが展開する「AllSeen Alliance」とも相互接続できるなど、オープン化も行なっています。
もはやひとつのメーカーがすべてのシステムを構築するという発想は時代遅れで、各メーカーのシステムが相互に接続できる方向に各社が動いています。
LGのスマート冷蔵庫は年内には製品化したいとのことでしたが、LG以外のスマートホーム、スマート家電のコントロールも可能になるでしょう。Windowsを使いながら家電のリモート操作も出来る冷蔵庫、1日も早く製品化して欲しいものです。
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