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半世紀うなぎ嫌いだったライターが美味いと唸ったうなぎ缶

2016年07月29日 17時00分更新

文● 四本淑三

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長期保存可能なうな丼

 あれっ、美味い。これは美味いんじゃないか。いや、すごく美味い。

 つまり私は、たまたま食べる前にうなぎの姿形を知っていたから良くなかったのだろう。初めて食べるうなぎがこの缶詰だったらなんの問題もなかった。

 しかし、缶詰しか食べたことがないのに、いくら美味いと言っても説得力に欠ける。ここで改めて、うなぎ屋で出しているうなぎと食べ比べてみたい。そこで、冒頭のように、うなぎ屋でうな丼を試してみたのだ。

 我々が食べたうな丼の価格は、税込みで2000円未満。決して安くはないが、高くもないという中庸な物件である。しかし、当然のことながら缶詰とは別物だった。まず、タレをのせて焼いているので香ばしい。うなぎがフワフワしている。噛むとじゅわーっと肉汁のようなものが広がる。

 缶詰にはそうしたシズルが薄い。もちろん、そんなところまで缶に詰まっていたら、うなぎ屋の立場はない。長期保存が効くというメリットから、損なわれた風味を引いて、なおマイナスにならなければ、缶詰として価値があるのだ。そういう意味では、うなぎごはんは合格だ。

 が、そうなると、他メーカーのうなぎの缶詰も気になる。また、そうこうしているうちに、谷啓製作所は「あなごごはん」という新製品を繰り出してきた。

 ええい、もうこうなったら、長いものをまとめて比べていこうではないか。そろそろ防災の日も近い。買ったものは保存は効くし、万一の場合は非常食として無駄にはならない。そんなわけで次回に続くのだ。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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