8年ぶりの実質黒字
ソニーは、2015年度(2015年4月~2016年3月)連結業績を発表。売上高は、前年比1.3%減の8兆1057億円、営業利益は329.2%増の2942億円、税引前利益は666.5%増の3045億円、当期純利益は前年度の1260億円の赤字から黒字転換し、1478億円となった。
最終利益が黒字になったのは、2012年度に、米ニューヨークの米国本社ビル、東京・大崎のソニーシティ大崎の資産売却などにより、約2800億円の一時的利益を計上し、415億円の最終黒字となって以来、3年ぶり。実質的な黒字化という観点でみれば、2007年度以来、8年ぶりの最終黒字となった。
また、モバイル・コミュニケーション、ゲーム&ネットワークサービス、イメージング・プロダクツ&ソリューション、ホームエンタテインメント&サウンド、デバイスをあわせたエレクトロニクス5分野の合計で営業黒字となったのは、5年ぶりのことになる。
セグメント別業績は、モバイル・コミュニケーションの売上高が前年比20.0%減の1兆1275億円、営業損失が1561億円に縮小となったものの、赤字からは抜け出せず、614億円の赤字。スマートフォンの出荷台数は、前年度の3910万台から2490万台に大幅に減少した。
ゲーム&ネットワークサービスの売上高が11.8%増の1兆5519億円、営業利益が406億円増の887億円、イメージング・プロダクツ&ソリューションの売上高が1.7%減の7112億円、営業利益が304億円増の721億円。デジカメの出荷台数は前年度の850万台から610万台に減少した。
ホームエンタテインメント&サウンドの売上高が6.4%減の1兆1590億円、営業利益が265億円増の506億円、デバイスの売上高が0.9%増の9358億円、営業損失が1176億円となり、286億円の赤字へと転落した。
好調の要因はPlayStation関係
ソニー 代表執行役副社長兼CFOの吉田 憲一郎氏は、「ゲーム&ネットワークサービスで487億円という大幅な上振れとなったのは、PlayStation 4の好調が要因。米国でサービスを行なっているTVサービスのPS Vueに関する施策を今年3月に発表し、コンテンツと視聴可能エリアの拡充などを図っていく。さらにPlayStation VRを今年10月に発売。2016年度についても、プラットフォームとしてのPlayStation 4のモメンタムは引き続き好調に推移すると見ている」と述べた。
PlayStation VRの価格は4万8578円で、230社以上のソフトウェアメーカーが参入。160本以上のタイトルが開発中だという。また、PlayStation 4の出荷については、地震の影響により一部のサプライヤーからの部品供給に支障が生じる可能性があるが、その影響があったとしても、2016年度には、2015年度実績の1770万台を上回ると考えているという。