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「Venmo」 - 米国の若年層がハマるP2P金融サービスとは?

2016年04月28日 11時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)、編集●ハイサイ比嘉

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Venmoが米国で人気を博している理由

 Venmoが高い人気を誇っている理由について、米PayPalで製品&エンジニアリング担当グローバルヘッドでシニアバイスプレジデントのBill Ready氏に尋ねたところ、「モバイル体験」と「ソーシャルの視点」のふたつを挙げた。

米PayPalで製品&エンジニアリング担当グローバルヘッドでシニアバイスプレジデントのBill Ready氏。同氏はPayPalが買収したBraintreeのトップだった人物だ

「ネイティブなモバイル体験」

 ひとつは、前述のようにモバイル技術からスタートしたサービスであり、「ネイティブなモバイル体験」を最初から提供できていた点が大きいという。

 P2P送金のサービスは、実はそれほど珍しいものではなく、実際にVenmoがサービスを開始した時期にあたるモバイルアプリ文化初期の段階ですでに各銀行から専用アプリが提供されていたり、当のPayPal自身が基本サービスとして提供していたものだ。それがなぜVenmoの登場でここまで急に盛り上がってきたのかといえば、銀行がそれまで提供できていなかったような「顧客満足度の高いサービス」を実現したことにあるといえる。

「ソーシャルストリーム」

 もうひとつは、おそらくVenmo最大の特徴である「ソーシャルストリーム」だ。FacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークのサービスを使ったことがあるユーザーならご存じだと思うが、フォローした人物や友人の日々の行動や発言が、ほぼ時系列の形で自身のタイムラインに流れてくるので、これで相手が何を考え、どのような行動を行なったのかを把握可能になっている。

 Venmoでも同様の仕組みを採用しており、このタイムラインで流れてくるのは主に「金銭授受や支払いなどのやり取り情報」だ。金額は隠されているものの、誰と誰が金銭の受け渡しを行ない、あるいはレストランや家で誰が集まって支払いをシェアしたなどの情報が逐一把握できる。一般に、FacebookやTwitterではこうした金銭のやり取りにまつわる情報はあまり流さないため、ある意味で逆転の発想といえるだろう。

 例えば、友人の誰かがチケットを購入してその代金の支払いがタイムライン上で見えたのなら、どんな面白いイベントがあるのか気になるし、あるいは自分の預かり知らぬところで複数の友人が集まってパーティやレストランに行ったのなら、「次は自分も呼んでよ」と声をかけたくもなるだろう。

Venmoの利用シーン。単なる金銭のやり取りだけではなく、友人とのコミュニケーションを重視した作りになっているのが特徴

 こうした交友関係を広げる場の中心にVenmoがあり、その中での金銭の動きをスムーズに行なうのが同サービスの役割だ。タイムラインへの投稿に使える絵文字風のアイコンも、こうしたソーシャルな仕組みを盛り上げるのに一役買っている。またFacebookと連携してストリームを流すことも可能であり、Venmoが単にP2P送金に特化したアプリやサービスではなく、友人とのコミュニケーションを取り持つための仕組みとなっている。

三十代以上はPayPal、若年層はVenmo

 Ready氏によれば、例えば三十代以上はPayPal、それより下の学生などの若年層はVenmoというように、似たようなサービスでありながら、ユーザー層は完全に分離しているという。こうした文化や利用目的の違いを把握することが、Venmoの人気を理解するための一助になると考える。

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