日本のスマホ市場もグローバル化が進み、今やどのキャリアでも同じ機種が主力となっている。料金プランも横並び、スマホも同じでは意味がない……と思いきや、実はそのキャリアならではの機種が少ないながらもポツポツ存在している。しかもスペックをはじめとしたコンセプトが尖っているから個性的。ハマれば相当相性良し! かもしれないので、今回チェックしていくことにした。
圧倒的なスペックのXperia Z5 Premium
それを追うGalaxy A8とライト向けQua phone
今回比較するスマホは、特定のキャリアでしか買えない機種。ドコモ「Xperia Z5 Premium SO-03H」、au「Galaxy A8 SCV32」「Qua phone」の3機種だ。
Qua phoneはauオリジナルブランドなのでキャリア独自機種であるのは当たり前だが、Xperia Z5 PremiumはXperiaブランドのなかでは抜きん出たスペックで、3キャリアで販売のXperia Z5とは明らかに違うモデル。Galaxy A8もハイスペックなGalaxyシリーズとなると冬春モデルでは唯一の新製品となる。
それではまずは3機種の簡単な紹介から。
●ドコモ「Xperia Z5 Premium SO-03H」
世界初の4Kディスプレイを搭載し「Xperia史上最高」と主張する画質を実現。デザイン、強力なCPU、3日持ちを謡うバッテリー、2300万画素カメラ、まさに国内のスマホのなかでもスペックを極めた一台だ。
●au「Galaxy A8 SCV32」
5.7型という大画面ディスプレーを搭載、もちろん有機ELだ。最大輝度は550カンデラ。厚さはわずか6mmでau史上最薄とのこと。さらに片手操作用画面を用意して操作性もカバー。大容量バッテリーや急速充電でスタミナも重視している。
●au「Qua phone」
auオリジナルのミドルレンジの1台で京セラ製。スペックだけを見れば決して高性能ではないが、耐衝撃性能やスマートソニックレシーバー、VoLTEへの対応をしつつ、お手頃価格で提供されている。これで操作性も上々ならばライトユーザーには十分な1台のはず。
ドコモ 「Xperia Z5 Premium SO-03H」 |
au 「GALAXY A8 SCV32」 |
au 「Qua phone」 |
|
---|---|---|---|
メーカー | ソニーモバイル | サムスン電子 | 京セラ |
本体サイズ | 約76×154×7.8mm | 約77×158×6mm | 約72×146×7.9mm |
重量 | 約181g | 約153g | 約132g |
画面サイズ | 5.5型 | 5.7型 | 5型 |
画面解像度 | 2160×3840ドット | 1080×1920ドット | 720×1280ドット |
OS | Android 5.1.1 | Android 5.1.1 | Android 5.1.1 |
CPU |
オクタコア 2GHz+1.5GHz |
オクタコア 1.9GHz+1.3GHz |
クアッドコア 1.2GHz |
ROM/RAM | 32GB/3GB | 32GB/2GB | 16GB/2GB |
メモリーカード | microSDXC(200GB) | microSDXC(128GB) | microSDXC(200GB) |
下り最大通信速度 | 225Mbps | 225Mbps | 150Mbps |
国内4G対応周波数 |
2GHz、1.7GHz、 1.5GHz、800MHz、 700MHz |
2.5GHz、2GHz 1.7GHz、800MHz、 700MHz |
2.5GHz、2GHz、 1.7GHz、800MHz |
キャリアアグリゲーション | ○ | ○ | × |
VoLTE | ○ | ○ | ○ |
連続通話時間 | 1330分(VoLTE) | 1370分(VoLTE) | 960分 |
無線LAN |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11n (2.4GHz対応) |
カメラ画素数 | 2300万画素 | 1600万画素 | 1300万画素 |
インカメラ | 510万画素 | 500万画素 | 200万画素 |
防水/防塵 |
IPX5/IPX8/ IP6X |
×/× |
IPX5/IPX8/ IP5X |
ワンセグ連続視聴 | 8時間20分 | 10時間20分 | × |
フルセグ連続視聴 | 7時間10分 | 7時間 | × |
FeliCa | ○ | ○ | ○ |
赤外線通信 | × | × | × |
NFC | ○ | ○ | ○ |
Bluetooth | 4.1 | 4.1 | 4.1 |
MHL(HDMI) | ○ | × | × |
Miracast | ○ | ○ | ○ |
SIM形状 | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM |
バッテリー容量 | 3430mAh | 3050mAh | 2200mAh |
Qi | × | × | × |
生体認証 | 指紋認証 | 指紋認証 | × |
カラバリ | Chrome、Black | ホワイト、ゴールド、ブラック | アイスブルー、シルバー、ブラック |
Xperia Z5 PremiumとGalaxy A8は幅も高さもある大型スマホだ。特にXperia Z5 Premiumは防水・防塵に対応しているとはいえ、181gとかなり重め。一方、画面サイズでは5.7型とさらに大きいGalaxy A8は重さが153gに抑えられている。もっとも携帯性を考えるのなら明らかにQua phoneが有利で、こちらは高さも146mm、重さは132g、画面サイズは5型と最近のスマホではスタンダードなサイズ感だ。
画面解像度はXperia Z5 Premiumが4K、Galaxy A8がフルHDと最新機種らしいが、Qua phoneはHD止まり。さらにCPUを見るとXperia Z5 PremiumとGalaxy A8が8コアとパワフルだが、Qua phoneは4コアのCPUである。
他の面でもXperia Z5 Premiumは国内スマホの最高峰であり、Galaxy A8はそれに次ぐが、Qua phoneに関してはOSや外部メモリに関しては最近のスマホらしいものの、だいぶ差をつけられている。
Qua phoneは同じauのGalaxy A8と比べると4Gの対応周波数帯も少なく、複数の周波数を使い通信速度を高速化するキャリアアグリゲーション(CA)にも非対応。無線LANも2.4GHz帯への対応のみ。VoLTEには対応しているものの連続通話時間では他の2機種と約400分ほど短く、バッテリー容量が小さいためスタミナが不安。ワンセグ/フルセグも搭載していないなど割り切りが目立つ。だからこそ後述するように価格もお手頃なのだが。
では高性能なXperia Z5 PremiumとGalaxy A8を比べていくと、案外良い勝負。Xperia Z5 Premiumはカメラの画素数や防水・防塵への対応、バッテリー容量の大きさで勝る。Galaxy A8はバッテリー容量でXperiaに負けていながら、連続通話時間やワンセグの視聴時間で勝っているなど、実際に試してみないとわからない部分がある。
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