小型とロープロ各々から王座を決定
コンパクトサイドフロー型3製品と、ロープロファイル型6製品をテストしてきた小型&薄型編の2015年CPUクーラー王座決定戦。いよいよ王座に座するべき製品の決定だ。
2015年版小型&薄型CPUクーラーのなかで、王冠を送るにふさわしいのは、鉄板CPUの「Core i7-6700K」を運用できる冷却性能を備えつつ、静音性と導入コストも文句なかったコンパクトサイドフロー型のCRYORIG「M9i」だろう。
冷却性能と静音性のバランスは、目を引く物があり、価格も4300円前後とお手ごろになっている。全高が124.6mmになるため、Mini-ITXで使用する場合は、若干PCケースを選ぶが、騒音値で述べたとおり、「Core i7-6700K」を余力残しつつ、冷却できているのは大きなポイント。
AMDプラットフォームはCPUクーラーの型番が「M9a」になるので注意してほしいが、基本スペックは「M9i」と同じなので、高TDPのAMD APUで自作する人にも安心してオススメできる。
CRYORIG「M9i」
- 対応ソケット:LGA115×(M9A:Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+)
- 寸法/重量:102(W)×87(D)×124.6(H)mm/約425g(ファン含み)
- ファンサイズ:92mm
- ファン回転数:600rpm~2200rpm(±10%)
- 風量:~48.4CFM
- ノイズ:~26.4dBA
- 実売価格:4300円前後
- 製品情報URL:http://www.dirac.co.jp/m9/
薄型CPUクーラーは2製品に王冠を授与!
6製品と多かったロープロファイル型CPUクーラーからは、サイズ的に若干環境は選ぶものの、「M9i」の次に高い冷却性能を発揮し、静音性も高かったbe quiet!「SHADOW ROCK LP」。
be quiet!「SHADOW ROCK LP」スペック
- 対応ソケット:LGA775/115×/1366/LGA2011、Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+
- 寸法/重量:122(W)×134.21(D)×75.4(H)mm/約395g(ファン含み)
- ファンサイズ:120mm
- ファン回転数:~1500rpm
- 風量:~51.4CFM
- ノイズ:~25.5dBA
- 実売価格:7000円前後
- 製品情報URL:http://www.dirac.co.jp/shadow-rock-lp/
次点で扱いやすい小型薄型タイプながら、冷却、静音ともに優秀といえる結果を出しているNoctua「NH-L9x65」に送りたい。
Noctua「NH-L9x65」スペック
- 対応ソケット:LGA115×/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+
- 寸法/重量:95(W)×95(D)×65(H)mm/約413g(ファン含み)
- ファンサイズ:92mm
- ファン回転数:~2500rpm(±10%)
- 風量:~33.84CFM(メーカー表記57.5m3/h)
- ノイズ:~23.6dBA
- 実売価格:6700円前後
- 製品情報URL:http://noctua.at/en/nh-l9x65
ともに導入コストは7000円程度と高いが、この点は全高に制限がある環境で、TDP 90WオーバーのCPUを安心して運用するための出費として割り切ろう。
小型&薄型に注目の
2015年のCPUクーラー
大型、小型&薄型あわせて17製品を取っ替え引っ替えしながら行なってきた2015年版「CPUクーラー最強王座決定戦」は、これにて閉幕。
大型タイプはリビジョンチェンジモデルが多く、冷却にトコトンこだわった野心作はなかったが、小型&薄型は高い冷却性能と静音性を備える魅力的な製品が多く、導入時のコストや取り付け手間も優れていると感じる。小型&薄型CPUクーラーは大型タイプと比べて冷却性能は劣るが、コストパフォーマンスはグッドと言える。
LGA 1151の鉄板CPUとなる「Core i7-6700K」などで、CPUクーラーが付属しなくなっただけに、今後も空冷CPUクーラーには注目だ。
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小型&薄型タイプのCPUクーラー9製品を見極める!【第2回】 -
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