いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第1回
DDFA利用のヘッドフォン再生、打楽器が気持ちよく空間にはじける
多機能で高音質、DNP-2500NEはフルデジタルで使いやすい (1/3)
2016年03月04日 15時00分更新
デノンの「DNP-2500NE」の販売が2月に始まった。
単品Hi-Fiコンポとしてはミッドクラスに位置づけられるネットワークプレーヤーだ。2500NEという型番は、SACDプレーヤー「DCD-2500NE」やプリメインアンプ「PMA-2500NE」も使用する。これまでデノンブランドの中核的な位置付けだった「PMA-2000」(プリメインアンプ)や「DCD-1650」(SACDプレーヤー)の後継シリーズで、伝統を引き継ぎつつ新たな領域を目指す製品となる。
デノンというと、個人的にはこれまで“AirPlay”や“ネットワーク再生”(DLNA)の分野にかなり早期から取り組んできたブランドというイメージがある。しかし意外なことに、中級以上のHi-Fi機器でハイレゾ再生しようと思った場合は、SACDプレーヤーが搭載したUSB DACを使うなど限定的だった。特にネットワーク再生機能は、AVアンプやエントリークラスの製品に限定されていたのだ。
ちなみにPMA-2500NE(プリメインアンプ)もUSB DAC機能を装備する。
一方でSACDプレーヤーのDCD-2500NEは(USB DAC機能を持たない)純粋なディスク再生プレーヤーとなった。ただしDVDに焼いたハイレゾファイルの再生が可能になっている点は面白い。ハイエンド機器のソースとしてもハイレゾ音源のファイル再生が主流となり、主軸がディスク再生から移行していることの表れかもしれない。なお、DNP-2500NEもUSB DAC機能を装備する。
USB DAC+DLNA再生に対応した全部入りモデル
DNP-2500NEの機能についてもう少し詳しく見ていこう。
実売価格は18万円前後。「DNP-730RE」など、デノンがこれまで投入していたエントリークラスの製品と比べると価格が数倍に跳ね上がってしまう。しかし機能はもちろん充実している。“USB DAC”兼“ネットワークプレーヤー”として、必要な機能を網羅。AirPlay、SPDI/F(光/同軸)など、デジタル入力も豊富だ。パソコン、NAS、スマホなどを中心としつつ、必要に応じてテレビなどのAV機器、ゲーム機まで含む広範な機器と接続できるD/Aコンバーターと言える。
対応フォーマットは、USB DACとして使用する場合、PCMが384kHz/32bitまで、DSDが11.2MHzまで(DoP対応)。ネットワーク再生やUSBメモリー再生の場合、PCMが192kHz/24bitまで、DSDが5.6MHzまでの対応となる。
有線での接続に加え、IEEE 802.11b/g/n対応のWi-Fi接続にも対応する。フルサイズなので、デスクサイドよりはオーディオ用ラックに設置するのが現実的だと思う。無線LAN対応なので、ルーターやハブから離れた場所にあるラックでも、差しあたって配線に頭を悩まさずに済む。設定も簡易で、WPS(ルータとボタン一つで接続できる)に加えて、iPhoneやiPadに保存してあるWi-Fi情報(SSIDや暗号化キー)をそのまま送信できる機能を持つ。
もうひとつ注目したいのが“ヘッドフォン再生”機能。デノンブランドの製品では「PMA-50」以降、おなじみになりつつある“DDFA”という帰還型フルデジタルアンプを搭載。非常にメリハリの利いたヘッドフォン再生が楽しめる。
また設定項目もHIGH、MID、LOWと3段階のゲイン切り替えと、4段階の“ダンピングファクター”調節機能を用意している。組み合わせると12種類となり、ヘッドフォンの特性やユーザーの好みに合わせて、こだわった選択ができるというかなりマニアックな製品である。
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