前へ 1 2 次へ

第185回 業界人の《ことば》から

PCの延長戦上にある製品

VAIOがゼロから作った「VAIO Phone Biz」が示す新たなPCの姿

文●大河原克行、編集●ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

今回のことば

 「VAIO Phone Biz は、VAIOがゼロから作った最初のスマートフォン。20年間蓄積したPCのノウハウを活用した、PCの延長線上の製品である」(VAIO・大田義実社長)

VAIOがゼロからスマホを作ると限りなくPCに近いスマホができる

 VAIOが、Windows 10 Mobileを搭載したスマートフォン「VAIO Phone Biz」を発表。4月から出荷を開始する。

 2015年2月に、日本通信との連携によって発表したVAIO Phoneが、海外ODMメーカーに設計、開発を委ねた製品となり、VAIOの「魂」を込められなかった反省があったのに対し、今回の製品は、VAIOが持つフィロソフィーを投入した、まさに「渾身」の新製品であるとの姿勢を打ち出している。

 VAIO・大田義実社長は、「VAIOがゼロから作った最初のスマートフォンがVAIO Phone Biz。VAIOがゼロからスマートフォンを作ると、こういうものができ上がるということを示せた」と自信をみせる。

 VAIOの特徴である「設計/製造技術」、「経験豊かな人材」、「ブランド」の3つの柱を生かして開発した製品だと強調してみせる。

 VAIO Phone Biz は、Windows 10 Mobileを搭載したスマートフォン。フルHD(1,080×1,920ドット)の5.5型ディスプレーを採用。SoCにはオクタコアのSnapdragon 617を採用し、3GBメモリーを搭載している。

 そして、同社では、「VAIO Phone Bizは、スマートフォンではあるが、PCの延長線上の製品」だと位置づける。「社内には、新たなPCの姿を作ってほしいといってきた。それがVAIO Phone Bizというカタチに集約した」とも語る。

 Office Mobileを搭載し、Continuumをサポートするという点でも、Windows 10の強みを生かしたものになっているほか、デザイン面でも、同社のフラッグシップモデルの一角を占めるVAIO Z Canvasをベースにデザイン。同社のPCと統一感を持たせた。アルミ削り出しの本体筐体は、約550gのアルミの板から、約40gまで削り出すというこだわりをみせている。

 「20年間蓄積してきたWindows搭載PCの開発ノウハウを活用した。これまでVAIOが発売してきたPCは、椅子に座って、操作することが基本であったが、VAIO Phone Bizは、持ち歩くPCという世界を確立するものになる」と、開発リソースの活用や、ユーザーへの用途提案という点でも、PCの延長線上の製品であることを示す。

 同社では、VAIO Zシリーズを頂点としたPC事業と、ロボティクス事業などによる新規事業という2つの事業体制を持つが、VAIO Phone Bizは、新規事業ではなく、PC事業のなかに含んでいる。ここにも、PCの延長線上としてとらえている姿勢が浮き彫りになる。

 「既存のPC領域の成長は難しい。だが、こうした新たなカタチのPCが成長製品として加わることで、PC事業全体が成長していくことになる」

 そこに、VAIOが作るスマホの特徴があるといっていいだろう。

前へ 1 2 次へ

過去記事アーカイブ

2024年
02月
10月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
03月
04月
05月
06月
10月
11月
2019年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
11月
12月
2018年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
11月
12月
2017年
01月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2016年
01月
02月
03月
04月
05月
07月
08月
10月
11月
12月
2015年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
12月
2014年
07月
08月
09月
10月
11月
12月