シャープへの売却は不透明、候補に挙がる中国スカイワース
そこで最有力候補として浮上するのが、中国スカイワースだ。
中国で冷蔵庫および洗濯機を生産する東芝家電製造(南海)および、掃除機などの生産を行う東芝家電製造(深セン)に、いずれもスカイワースが5%ずつ出資しているほか、昨年9月には、中国市場向けの白物家電事業に関する販売権をスカイワーフに譲渡。さらに、東芝は、12月に入って、インドネシアにある二層式洗濯機工場とテレビ工場を閉鎖することを発表したが、同時にこの土地と建物を、中国スカイワース社へと売却することが決定したことも発表している。
12月時点では、中国の2つの工場について、「これらの工場の閉鎖は決めていないものの、再編を視野に入れており、様々な選択肢がある」とし、やはりここでも、再編において、出資実績があるスカイワーフの存在が見え隠れする。
室町社長は、「今後は、全員が移籍なのか、一部が移籍するのかという交渉になってくるだろうが、できれば居抜きで移籍してもらいたいと考えている」とし、事業そのものを完全売却する方針を示す。
いずれにしろ、東芝の家電事業は、国内メーカーとして事業を存続させる可能性は低くなり、パナソニックが、三洋電機の冷蔵庫、洗濯機事業を中国ハイアールに売却したように、外資系メーカーとして再生を目指すことになる可能性が高まったともいえる。
またひとつ、日本の家電メーカーが消えてしまうことになるのか。