バリバリの文化系人間である筆者は、プログラミングに関しては8bitマイコンの時代から極めて弱い。昨今の「情弱」と言っても大きくは外れていないと思う。しかし、その一方、新しいモノや変なモノには極めて関心がある。
そんな筆者なので2015年の6月に生まれてはじめて「MESHタグ」というガジェットを見た時も、そのガジェットの目的にはあまり感動はなかったのだが、カラフルなカラーリングと手に持った時の適度なサイズ感、ニギニギした時の少しラバー系の様な手触り感にハマってしまった。
ちょうど年末にはソニーが発売予定だった超弩級のコンパクトデジカメ「RX2RII」を計画衝動買いしようと目論んでいたが、あいにく何らかのトラブルで出荷日そのものが未定になった。
年末年始の楽しみがなくなった筆者は、何か面白いものはないかとネットを徘徊。年途中で忘れていたMESHタグを思い出し、ちょうどキッティングでほんの少しだけど割引販売もやっていたので、何に使えるかもわからないままFirst FlightのMESH専用ウェブサイトで衝動買いしてしまった。
センサーやLEDを内蔵する「MESHタグ」
MESHタグが届いて1ヵ月弱、実際にさわってみたのはまだほんの3日程だったが、MESHタグに対する筆者の印象は「平成のIoT対応電子ブロック」という感じに尽きる。
現在のところMESHタグには全部で7種類のタグが発売されているが、筆者が購入したMESHタグは、「Move(動き)タグ」「Button(ボタン)タグ」「LEDタグ」「Motion(人感)タグ」「Brightness(明るさ)タグ」の5個。前3つが5980円、残り2つは6980円だ。
平均単価はなんと5000~6000円もするので、まとまればそれほど安い玩具ではない。MESHタグで遊ぶにはiOS 8.0以降を搭載したiPad(第3世代)以降、iPad mini以降、iPhone 4s以降が必要だ。現在のところAndroidはまだサポートされていない。
それぞれのMESHタグは、内蔵された照度センサーや加速度センサーなどの固有の機能を実現するためにBluetooth 4.0とリチウムイオンバッテリーを搭載している。基本原理はiOS上で動作するMESHアプリと、さまざまな機能を提供するMESHタグが連携し動作する。
必要に応じて複数のMESHタグをMESHアプリの上でダイアグラム化して組み合わせ、より複雑な機能を提供できるものだ。ここまでのイメージだと、昔懐かしい学研の「電子ブロック」を連想された読者貴兄もおられるだろうが、イメージ的にはかなり近いものだ。
昔懐かしい“昭和の電子ブロック”と“平成のMESHタグ”(平成のIoT対応電子ブロック)の最大の違いは、母艦となるiOSデバイスそのモノもMESH連鎖の一つのコンポーネントのパーツとなり、それを介してIFTTTやGmailなどのウェブサービスとも連携を取ることができる拡張性が大きな差と言えるだろう。
木箱のなかの閉じた電子ブロックと、ネット環境を活用してIoTのトライアルに近い実証実験までもができるMESHタグは大きく違うモノだ。
タグへの充電など、使うまでには準備が必要
MESHタグで遊ぶためには、まずなによりタグ本体の充電が必要。本体にあるmicroUSBポートから充電が可能だ。筆者は、ANKER製の6ポートUSB/ACアダプターと、秋葉原で買った短いmicroUSBケーブル5本を使用して、MESHタグ5個の充電を一気にやってしまった。
充電待ちの間にApp Storeから前提となる「MESHアプリ」をダウンロード、導入しておこう。充電が完了すれば、各MESHタグの前面ボタンを長押しして、電源をオンにして、Bluetoothデバイスのお決まりのお作法である筆者の母艦(iPad Pro)とのペアリングだ。これもほぼ全自動で終了する。
筆者の購入した5個のMESHタグの認識とペアリングが終了すれば、すべてのMESHタグがアイコンとなって筆者のiPad Pro上のMESHアプリの右端上に表示される。MESHタグの理解と使い方のハンズオンはアプリに付属のチュートリアルがよくできている。
一番最初の「タグを選ぼうから」からチュートリアルの順番に従ってやっていけば、自然とMESHタグの基本的な使い方は確実に理解できる。
基本的には、MESHアプリ上で今回使いたいMESHタグのアイコンを画面の任意の位置まで指先でドラッグする。目的のMESHタグアイコンが画面上に揃ったら、今度は目的を達成するためにアイコンとアイコンをコネクタで接続するだけだ。
上の画面の例では、「Move(動き)タグ」を手に持って振ったら、「LEDタグ」が点灯する……という超簡単なサンプルを実行している。
画面の右端にある「Move(動き)タグ」と「LEDタグ」をドラッグし、「Move(動き)タグ」のコネクター(出っ張り)を指先で「LEDタグ」の(凹み)にドラッグすれば“ピキーン”というサウンドとともに両MESHAタグが連結され機能するようになる。
また「Move(動き)タグ」の感度などの詳細設定や、「LEDタグ」の光り方や色なども自由に設定変更が可能だ。実際に「Move(動き)タグ」を振ってみたら間違いなく「LEDタグ」が光った。
「Move(動き)タグ」は内部に入っているセンサーの機能で、振るだけではなく、テーブルなどの上に置かれた時の向きも検知可能なので、6種類のケースを派生させることができる。
「Move(動き)タグ」を高く立てることで、隣の部屋にいる同僚に、急にめったに来ないボスが来たことを知らせることも可能だし、「Move(動き)タグ」を真横に寝かすことで危険が過ぎ去ったことを知らせることも可能だ。
もちろん、同僚のいる部屋に置いておくのは「LEDタグ」でもいいし、iPadのスピーカーを鳴らすことも可能だろう。
(次ページに続く、「ウェブサービスとの連携で楽しみ方が広がる」)

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