王道グループウェア「サイボウズ Office」をとことん使ってみる 第5回
徹底された「セキュリティ」と「運用管理」に迫る
cybozu.comの安全性と堅牢性をとことんチェックしてみた
2016年01月19日 11時00分更新
組織横断で脆弱性に対処する
製品のセキュリティを高める取り組みも継続的に行っている。
製品の脆弱性対策として、すべての製品は提供前に脆弱性検証がおこなわれる。仕様を知り尽くしている社内での検証をベースに、外部監査や有識者による脆弱性発見も定期的に実施。cybozu.com上で提供されるサービスにおいて、脆弱性の外部検証は最低年1回行われ、その結果がサマリーレポートして公開されている。
また、有識者による脆弱性発見として2014年から行っているのが「脆弱性報奨金制度」だ。同社の製品・サービスの脆弱性を発見・報告してくれた人へ報奨金を支払うというもので、すでに多くの脆弱性を発見した実績がある。
オンラインの脆弱性発見コンテスト「cybozu.com Security Challenge」や、オフラインでの「バグハンター合宿」を公式に開催するのもユニークな取り組み。サイボウズ自らが脆弱性を発見する環境や機会を提供している。
こうした自社製品だけでなく、OSや他社製ソフトの脆弱性についても随時情報収集している。OpenSSLの脆弱性「HeartBleed」のようにOSSに致命的な欠陥が見つかることもある。それらを突く「ゼロデイ攻撃」が発生し、開発元からの修正プログラムが遅れている場合、サイボウズが代わりに開発して対処することもあるという。
万が一、サイボウズの製品・サービスでセキュリティ的な問題が生じた場合、インシデントレスポンス(事態への対処)を担当する「Cy-SIRT」も設置されている。運用本部、開発本部、ISMS事務局(内部統制)、Cy-SIRT事務局の担当者が部署横断型で参集し、社外の組織・専門家とも協力しながら、インシデント発生の予防、早期検知、早期解決、被害が発生した場合の最小化を図るのが目的だ。
ヒューマンエラーを防止せよ!
次は「運用管理」に目を向けてみよう。いつも使えるシステムであるために、どんな点に配慮しているのか――。
まず、開発環境と運用環境は分離されており、テストの影響が間違っても本番環境に及ばないようにしている。運用チームがcybozu.comにアクセスする際は、専用回線とインターネットや社内の業務ネットワークから切り離された専用端末を利用することで、通信の盗聴やウイルス感染を防いでいる。
また、専用端末は専用の執務スペースに置かれ、セキュリティカードによって許可されたメンバーしか入室できない。その上で入退室の様子が24時間カメラで監視され、専用端末の操作履歴はすべて記録される。こうして内部犯行を徹底的に抑止している。
サービスアップデートまでの体制としては、「製品開発」「品質保証チェック」「社内ロードテスト」「アップデートリハーサル」「本番アップデート」というフローを作り、複数かいのテストに合格したものだけ本番環境に適用する。
その作業もミスを減らすため、手動操作を極力排除。顧客環境の作成、サービスの追加、解約などはシステムで自動化している。手動操作する際は、すべて手順書を整備し、必ずそれに従って2名以上で実施するよう徹底。すべての操作が記録されているため、ルールが守られているか常にチェックできる体制となっている。

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