ビジトク調査班Rとは……世のフリーランス、個人事業主に関係するお金の情報を片っ端から調査する非公式組織である! 班長は、からあげ大好き声優の「いくちょん」こと「有野いく」さんだ。アシスタントのウサギ(仮称)と一緒に役立つ情報やTIPSをお伝えしていくぞ! <連載一覧>
前回は、税理士の宮原裕一先生から「資産の現状分析をした上で節税すべき」とのアドバイスをいただいた。今回は、今年の税額を決める最後のタイミングとして、やるべきこと、見直すべきこと、節税のための領収書集めなど、年内に行なう事柄についてまとめてみた。自分の節税すべき点を見極めよう。
年内にできる節税対策をチェック!
- 大前提として個人事業主の赤字はまずい!
- 控除を引いて赤字ならまだわかる
- 年内に間にあう節税対策その1:自宅兼事務所は割合で
- 年内に間にあう節税対策その2:交際費はどこまで経費?
そもそも、個人事業主の赤字はアウト!
法人の節税とは違うことを覚えておこう
ジサトラ ハッチ 自分で稼いだ金は自分で使う。税金で取られるなんていやだよ~んというわけで、今年は赤字ということにするんだ。
いくちょん あれ? こないだ「見て見て、この預金残高」とか自慢してなかった?
ジサトラ ハッチ それを経費を積み重ねていって赤字にするわけさ。赤字だったら税金取りようがないでしょ。しかも買ったものは手元に残るわけだし一石二鳥じゃん。
いくちょん でもそれじゃお金は残らないでしょ。
宮原 そうですね。そもそもの大前提として、個人事業主で赤字というのはまずいです。会社と違って自分に給与は出せませんので、赤字ということは、完全に持ち出しになっているわけですから。
会社を起こして、社長として給料をもらっていて、その上で赤字というのなら、自分にお金が入った上での赤字なので、足りない分を会社に貸すといったことができます。けれど、個人事業主の赤字というのは、そもそも自分の財産を削っていく話なのでどうしようもできないのです。
いくちょん でも、節税のために赤字申告したという話は案外ポピュラーですよね。
宮原 基礎控除とか、家族についての扶養控除とか、そういう控除を引いて赤字ということであれば生活費としての取り分はあります。けれど、個人事業主の黒字というのは自分の儲け(イコール自分の給料のようなもの)ですから、それが赤字だとタダ働きしている、あるいはお金を持ち出しているということにしかなりません。
ジサトラ ハッチ 経費使えばいろいろお得だと思ったんだけれど……。
いくちょん 経費使って赤字にしたら、生活できなくなっちゃいますよ。
ジサトラ ハッチ まあ、食費はいくちょん誘って食べに行けば交際費になるし。
いくちょん 仕事の上での取引がなかったら交際費にならないと思いますけど。
ジサトラ ハッチ え、つきあいがある人との交際は交際費でしょ?
いくちょん 誰がつきあってるんですか! 交際費の範囲を広げて考えすぎですよね、先生っ。
宮原 そうですね。経費として落とせるかどうか聞く前に、3つのことを考えましょう。まず「その経費は事業に必要かどうか」。それから「その使い方にやましいことはないか」。そして、「そもそも赤字になったら意味がない」。これらがクリアにできることが前提です。
ジサトラ ハッチ いくちょんとのつきあいは事業に必要だし、使い方にはやましいこともないし、赤字になっても食べることにはなる。うん、大丈夫だ(真顔)。
いくちょん 考え方がやましいんです(怒)。
(次ページでは、「年内に間にあう節税対策:自宅兼事務所の場合」)
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