最近は、PC売り場へ行っても展示されているのはほとんどがノートPCという時代。複数の作業を並行して進めるスタイルに慣れてしまっている筆者は、ディスプレーに大量のウィンドウを開いて作業できるデスクトップPCのほうがやはり使いやすい。そのためにどうしてもノートPC移行できないでいる。ノートPCにディスプレーを接続するという手も考えたのだが、フルキーボードでなかったり、やはりノートPCは不便さを感じてしまう。
しかし、外出先でちょっとした作業をしたいときや、外部の人にデータや資料を見せたいときは、やはりノートPCがあれば楽だなぁと思うのも事実。ノートPCの代わりにタブレットもありかと考えたのだが、作業をするという点ではPCにかなうわけもなく。
そんな時、スティックPCがかなりお得になってきたという話を聞こえてきた。今年の春に1万円台中盤だったスティックPCと同スペックで税抜で万円を切っているという。
金額的に実用に耐えるのかという不安もあったので、今回、税抜9980円、税込みでも1万円ちょっというスティックPC「Diginnos Stick DG-STK1B」を試した。
デフォルトで使用できる標準装備
Diginnos Stick DG-STK1Bは手のひらサイズのUSBメモリーといった外観だ。価格的にFRPなのかなと思っていたが、実は金属製で、持ったときにしっとりとした感触がある。本体の長さは11cmしかなく、ちょうど手に隠れる程度で、持ち運びには便利なサイズだ。
先端についているHDMIをディスプレーやテレビに接続するだけで使用できるのはとても簡単だという印象を受けるが、特にカバーなどがなくてむき出しのため、持ち運ぶときに曲がったりしないか不安だ。これで端子を防護するキャップなどがついていればいいのだが、価格を考えるといたしかたないというところだろうか。
本体側面には、電源用のMicro-USB端子のほか、USBポートともう1つMicro-USB端子がついている。USB端子が2つあるので、マウスとキーボードを接続してそのまますぐ使えるのはポイント。もちろんキーボードのみでも操作できるが、Tabキーなどを使い、キーボードだけで操作することに慣れている人はそうはいないだろう。そう考えるとやはりマウスが一緒に使えるほうが便利だろう。
付属品として、電源を取るためのACアダプターと本体につなぐためのUSB-AC変換ケーブルのほか、HDMI延長ケーブルと、Micro-USB・USB変換ケーブルがついている。ACアダプターもかなり小さいので持ち運びには便利だ。しかし、USB-AC変換ケーブルが60cmほどの長さのため、本製品を接続するディスプレーなどのそばにコンセントがない場合に厳しい。いざ使おうと思ったら電源が取れないというのは困るので、もう少し長さが欲しかった。
HDMI延長ケーブルも長さは15cmほどしかないので、ディスプレーのHDMI端子の周囲に障害物があって直接接続できない場合などに使うといった程度。USB端子は1つだけフルサイズなので、マウスかキーボードのどちらかをMicro-USB・USB変換ケーブルでMicro-USBに変換してつなぐといった使い方になる。
まずはこれらの標準装備の機材を使って接続してみた。本製品はBluetoothを使った周辺機器も使えるのだが、最初に立ち上げた際はWindows 10のセットアップから始まるため、どうしても物理的に接続されたキーボードやマウスが必要になる。後々ワイヤレスの機器を使うにしても、まずは2つのUSBポートと付属のケーブル類で両方接続し、セットアップが行なえるのはよく考えられているなと思った。
Windows 10のセットアップはアカウント設定とネット環境を整えれば終了。インターネットはWi-Fiなどの無線LANで接続して使用できる。
USB接続のマウスとキーボードが必要ではあるが、それ以外はデフォルトの装備だけで使えるので、余分な追加をしなくていいという点でもとてもリーズナブルと言えるだろう。