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日立が情報プラットフォームを受注

医療・介護の高度化へ、福岡市で「地域包括ケア」推進

2015年12月08日 12時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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 日立は12月8日、福岡市から「福岡市地域包括ケア情報プラットフォーム」を受注したと発表した。ビッグデータ分析などを活用して地域の医療・介護を支える情報通信基盤という。

 同プラットフォームは、福岡市が保有する医療・介護に関する各種データを集約し、ビッグデータ分析を可能にすると同時に、医療機関・介護事業者間の情報共有などを行うもの。これにより住まい・医療・介護・予防・生活支援にかかるサービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムを実現するという。

プラットフォームの概念図

 具体的には、福岡市が保有する医療・介護関連の各種データを集約する「デー タ集約システム」、これらを分析して医療・介護に関する地域ニーズや課題を見える化する「データ分析システム」、要介護者に関する情報を家族や医療・介護従事者などで共有できる「在宅連携支援システム」、福岡市内の医療・介護・生活支援に関する最新情報をWebサイト上で提供する「情報提供システム」で構成される。

 「データ集約システム」でこれまで福岡市の各業務部門で断片的に管理されていたデータを整理・集約。「データ分析システム」でグラフや表、地図情報による分析を行ない、地域ごとの要介護者数といった現状や課題を見える化するほか、各種指標のシミュレーションを行って最適な施策立案に寄与する。

 「在宅連携支援システム」では、福岡市が保有する要介護者の緊急連絡先や要介護認定情報、健診結果、ケアプランなどを管理し、家族や担当する医療機関、介護事業者、ケアマネジャーらがタイムリーに情報共有できる。本人やその家族の同意の下、高セキュリティな環境に保存する形だ。

 これにより、ケアマネジャーが要介護認定に関わる資料などを入手する際、市役所に出向くことなくPCやタブレットで参照できるほか、関係者間のコミュニケーションが促進され、効果的な医療・介護サービスが提供できるという。

 市民向けには「情報提供システム」を通じて、福岡市内にある医療機関や介護施設に加え、民間企業や非営利団体が提供する生活支援サービスを集約し、Webサイト上で一般公開する。将来的には「データ分析システム」で得られた地域特性などもオープンデータとして公開し、市民向けの各種サービス創出や企業誘致などに役立てる予定としている。

初出時、タイトルおよび本文の一部で「福岡市」を「福島市」と表記しておりました。読者および関係者に、お詫び申し上げます。本文は訂正済みです。(2015年12月8日)

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