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Samsung SSD 950 PROは、やはり劇速2500MB/秒超だった!

文●平澤 寿康 編集●北村/ASCII.jp

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PCMark 8

 最後に、PCMark 8のStorageテストの結果だ。こちらを見ると、これまでのベンチマークテストに比べて850 PROとのスコアー差が少ないことがわかる。

 細かなスコアーを見ると、Storage bandwidthの結果は850 PROのスコアーを2倍以上上回っているが、その他の実アプリベースのテストでは、850 PROとの差がほとんど見られない。

 元々、PCMark 8のStorageテストは、SSDではそれほど大きなスコアー差が出ないことで知られるが、それでもここまで差が少なかった点はやや気になる部分。

 AS SSD BenchmarkのCopy Benchmarkの結果と合わせて考えると、利用するアプリやファイル操作の内容により、快適度が大幅に高まるものと、ほとんど体感差を感じないものが存在する可能性が高い。

 なお、256GBモデルと512GBモデルとの差も、それほど大きくはなかった。このことから、実利用時の快適度という点では、256GBモデルと512GBモデルとの間に大きな差はないと考えられそうだ。

950 PRO 512GBの結果

950 PRO 256GBの結果

850 PRO 512GBの結果

コントローラーの温度に注意

 ところで、PCI Express対応SSDでは、コントローラーの温度がやや高温になることが多い。950 PROのベースとなっているSamsungのOEM向けSSD「SM951」でも、その点が問題視されることが多い。

 950 PROでは、コントローラーの温度が異常な高温になった場合に、転送速度を落として熱暴走などを防ぐ「ダイナミックサーマルガード」という機能を内蔵しているが、できればこの機能が働かずに、常に最高速度を維持して動作してもらいたいもの。

 そこで、ベンチマークテスト時に放射温度計を利用してコントローラーの温度を計測してみたところ、コントローラー付近では60度に迫ろうかという温度になることを確認した。

コントローラーチップにヒートシンクを装着してテストを行なってみたところ、テスト中にヒートシンクの温度が50度を超えた

 おそらく、60度程度であればそれほど大きな問題にはならないと思うが、念のため15mm角の小型ヒートシンクをコントローラーに装着して同様に温度を計測してみたところ、ヒートシンクの温度は50度をやや超える程度にまで上昇した。

 ただ、ヒートシンク装着によるベンチマーク結果の変化は見られなかったため、通常利用の範囲内であれば、それほど大きな心配は無用かもしれない。

950 PRO 256GBにヒートシンクを装着して行なった3DMark 8 Storageテストの結果。ヒートシンク未装着時と結果に差は見られなかった

 今回の検証は、マザーボードむき出しの、いわゆるバラック状態での検証だったため、ケース装着時とはやや異なる温度推移になっている可能性が高い。特に、グラボなどの拡張カードなどが装着されている場合などには、M.2スロットのあるマザーボード表面付近の空気の流れが少なくなり、より高い温度になる可能性も考えられる。

 そのため、温度が気になるようであれば、強力なケースファンを装着するなどして、M.2スロット付近の空気の流れにも気をつかいたい。

 なお、コントローラーへのヒートシンク装着は、貼られているシールを剥がす必要がある。しかし、このシールを剥がすと保証が受けられなくなる可能性が高い。もしヒートシンクを装着するなどの対策を行う場合には、自己責任で試してもらいたい。

環境は選ぶが、ハイエンドSSDとして魅力的な存在

 950 PROは、ベンチマークテスト結果からもわかるように、従来のSATA SSDを大きく凌駕するアクセス速度が確認された。

 PCMark 8のStorageテストの結果に関しては少々気になる部分で、利用するアプリケーションによっては思ったほどの体感速度向上が期待できない可能性もある。

 とはいえ、これからの自作PC向けのハイエンドSSDとして、有力な選択肢となるのは間違いないだろう。

従来のSATA SSDを大きく凌駕するアクセス速度を確認。ハイエンド志向のユーザーにとって見逃せない製品だ

 今後、各社からも続々PCI Express 3.0 x4対応M.2 SSDが登場してくるものと思われる。性能を最大限引き出すには、PCI Express 3.0 x4対応のM.2スロットを備えるマザーボードが必須となるため、利用環境は限られるものの、ハイエンド志向のユーザーにとって、見逃せない製品と言えそうだ。

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