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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢第139回

タグ・ホイヤーはスマートウォッチ(とAndroid Wear)の現状を変えられるのか?

2015年11月18日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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アメリカの腕時計ブランド
FossilはフィットネスバンドのMisfitを買収へ

 Apple Watchに触発されたのか、それともスマートウォッチという時計市場の新しい分野の立ち上がりを認めてなのか、既存の時計メーカーのスマートウォッチでの取り組みが目立ってきた。

 Tag HeuerのConnected発表後、今度はFossil Groupがウェラブル技術ベンチャーMisfit Wearables買収を発表した。Misfitは2011年に現CEOのSonny Vu氏らが共同創業しており、AppleでCEOを務めたことがあるJohn Sculley氏も関与している。フィットネスバンド「Shine」などの製品を持ち、SpeedoやSwarovskiなどのブランドとも提携している。

Misfitの活動量計は日本国内でも販売されている。安価でかつなかなかオシャレだ

 提携の狙いはもちろんスマートウォッチ分野の強化だ。Misfitの技術プラットフォームを獲得することで、これまでの時計に加えて「ファッショナブルでコネクテッドアクセサリー」を提供できるとプレスリリースで記している。

 MisfitのVu氏はFossil Groupのコネクテッドデバイス部門のCTO兼社長に就任する。

Apple Watchが一人勝ち、Android Wearはセルラー対応へ

 スマートウォッチでもApple対Googleの構図が予想されるが、Canalysの調査では、現時点でのスマートウォッチ市場は「Apple Watchが独占状態にある」としている。AppleはApple Watchの出荷台数を明らかにしていないが、同社の予想では累計700万台、第3四半期(7~9月期)は30万台以上とのこと。

 今後、Android Wearを採用したTag Heuerのように、既存の時計メーカーがAndroid Wearでスマートウォッチに参戦するのかどうかが、争いの構図に大きく影響するだろう。なお、Googleは11月11日、Android Wearでのセルラー対応を発表、初の端末としてLGから「LG Watch Urbane 2nd Edition LTE」も発表されている。

 Apple Watchの発売から、機会があれば人々の腕元をチェックしているが、なんらかのスマートウォッチをつけていると確認できたITベンダーの幹部は全員Apple Watchだった。聞いてみると「なにができるのか、実験的に着けている」という意見が多い。

 フィットネスバンドではFitbitが圧倒しているが、こちらも目的明確で「エクササイズ」だったり「健康維持のため」という答えが返ってきた。確かにあるイベントでウェラブルの話になったとき、あるパネリストは、”スマートウォッチは数週間もするとすぐ飽きているようだ”という課題を提起した。フィットネスバンドのように目的やメリットが明確ではないというのがスマートウォッチの現状だろう。となると、ますますファッション性が重要になるのか、それともセルラーに対応するともっとおもしろいことができるようになるのだろうか。

 SamsungやLGなどのスマートフォンでシェアを争ったプレイヤー、これにSwatchからTag Heuerまでさまざまな価格帯と特色を持つ既存の時計ブランドが参入するスマートウォッチ市場はどう発展していくのか。年末商戦は一つの重要な試金石となり、Apple Watchに加え、Samsungが間もなく発売する「Gear S2」、Huawei、LGなどのモバイルメーカー、それにTag Heuer、Fossilなどの時計メーカーのスマートウォッチの動向は注目に価するだろう。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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