ギリ9万円台でCore i5-6400にSSD、GTX960の組み合わせがゲットできる『LM-iG460S』

文●加藤勝明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 マウスコンピューターの「LUV MACHINES」シリーズに、Skylakeこと第6世代CoreとWindows10を組み合わせた新モデルが登場した。構成により様々なバリエーションが用意されているが、特にオススメなのが同社直販サイトで9万9800円(税別)で販売中の『LM-iG460S』だ。今回これを使ってみて、筆者なりにグッときたポイントを紹介してみたい。

期間限定のSSD追加キャンペーンでスペックに死角なし

 ご存知の通り第6世代Coreは従来のCoreシリーズの回路設計を大幅に見直し、従来よりも処理効率と省電力性能の向上を図ったCPU。LM-iG460Sでは物理4コアの「Core i5-6400」を搭載しているが、これを搭載しただけでは快適なPCとはいえない。ストレージがHDDのみだとどうしてもOSやアプリの起動がもったりとするし、グラボが非搭載だとPCゲームを遊ぼうにも画質を犠牲にせねば動かない。

 だがLM-iG460Sではグラボは「GeForce GTX 960」、ストレージは120GBのSSD+1TB HDD。まずは構成のバランスのよさに眼を奪われるはず。

 ちなみにLM-iG460Sのストレージは本来HDDのみだが、現在期間限定キャンペーンで120GBのSSDが無料で組み込まれている。このチャンスを逃さないようにしたい。

↑第6世代CoreにGeForce GTX 960、さらにSSDまで標準で組み込まれた死角のない構成が売り。

↑ストレージは1TBのHDDと120GBのSSD(サムスン『SSD 650』)の組み合わせ。OSはSSDから起動するので、アプリの起動やファイルコピーもサクサクと軽快。

 LM-iG460Sを語るうえでもう一つ避けて通れ居ないのが「PCケース」だ。従来のLUV MACHINESシリーズと同じく背が低めのMicroATXケースを使っているが、今回はケースを大幅にリニューアル。1世代前のモデルと比較すると、幅は10mm、高さは13mm減少。わずかな差だが、机の上に置いても机の上が広く使えるのは有難いことだ。

 さらに従来前面パネル下部に隠されていたフロントUSBポート等が中央に移動して利便性大幅アップ。低価格PCだとヘッドフォンやマイク端子は緑やピンクで縁取られていることが多いが、本機ではあえてアクセントカラーである銀色に統一して高級感を出すなど、低価格マシンだからといって手抜きはない。

↑正面からの投影面積は確かにLM-iG460Sの方が小さい。さらにフロントパネルがつや消しになったことで、指紋が目立たなくなった点も地味に嬉しい改善だ。

↑LM-iG460SのフロントUSB2.0やヘッドフォン&マイク端子はアクセスしやすい中央に配置。机の上で使う時はもちろん、床置きした場合でもアクセスしやすくなっている。

 ケース内部構造も大きく変化している。今の時代ほぼ用済みとなった5インチベイを減らし、グラボ周辺に大きなスペースを確保。本機のBTOではオプションとしてGTX970も用意されているが、こうしたパワフルなグラボを搭載した場合でも熱が篭らないように改善されている。さらに2.5インチSSD固定用ベイを新たに設けるなど、今風の設計になって生まれ変わったのだ。ここにグッとこない訳がない。

↑LM-iG460S(左)と、1世代前の「LM-iG305X2」の比較。グラボは同じGTX960(リファレンス仕様)だが、グラボのまわりの空間がスッキリし、吸い込んだ空気がスムースに背面から排出できる設計に改善されていう。

肝心の性能は?

 では気になる性能をベンチマークでチェックしてみよう。ウォーミングアップにはCPUの馬力をみる「CINEBENCH R15」が最適だ。

↑「CINEBENCH R15」の結果

 比較に使った「LM-iG305X2」は、いわゆる“Hawell Refresh”世代のCore i5-4460。定格クロックはわずかに旧モデルの方が上(2.7GHz対3.2GHz)だが、シングルコアでもマルチコアでもCPUが新しいLM-iG460Sが高スコアーを出している。少々クロックが低くても高性能という第6世代Coreの特性がよく出ている。

 続いては描画性能を「3DMark」でテスト。ここではフルHDで描画する「Fire Strike」のスコアーを比較する。比較対象機も同じGPU(GTX960)を搭載しているので、描画性能はほぼ互角のはずだ。

↑「3DMark Fire Strike」の結果

 総合的なスコアーは新モデルであるLM-iG460Sが辛勝といったところだが、今回はもう少し詳しくシーンごとのスコアーも比較してみた。Graphicsテストはほぼ同じ性能だが、CPUテストはLM-iG460Sの圧勝。今どきのゲームは物理演算等でCPUを酷使するので、同じゲームを遊ぶなら第6世代Coreを搭載したLM-iG460Sの方が有利なのだ。これなら発売が秒読みになった「Star Wars バトルフロント」もかなり快適に遊べそうだ。

 もうひとつ、LM-iG460Sに搭載された120GBのSSDの性能もチェックしてみよう。テストは「CrystalDiskMark」を使う。

↑CrystalDiskMarkのスコア。左がLM-iG460S、右がLM-iG305X2

 比較機に組み込まれたSSDが違うため厳密な比較はできないが、LM-iG460SのSSDは読み書きともに十分高速。120GBクラスのSSDだとLM-iG305X2のSSDのように書き込み速度がぐっと落ちるものが多いが、LM-iG460Sではこうした弱点のないSSDを使っている点が嬉しい。

 この第6世代Coreを搭載したLM-iG460Sなら、PCゲームでもRAW現像でも普通にこなせるが、CPUパワーを最も堪能できる用途は動画のエンコード、特にCPU負荷の高い「H.265」で圧縮する作業だ。今回はフリーで使える「Handbrake」を使い、再生時間3分のAVCHD動画(1080p、約60fps)をH.265の固定フレームレート形式に変換した。

↑「Handbrake」の結果

 結果は一目瞭然。CPUの処理効率が第6世代世代では格段に向上しているため、H.265のような負荷の高い操作ほど差がつくのだ。

 だが性能が凄いと内部は灼熱地獄になる、というのがPCの宿命。そこで「OCCT」の“Power Supply”テストで約10分間全力で稼働させた場合、CPUやGPUの温度はどの程度上がるのか新旧モデルでチェックしてみた。

↑「OCCT」で各部の熱を計測

 全力運転で最も温度が上がったのはGPUで、最大80℃前後で安定。どちらも温度が高めだが、搭載されたGTX960の設計を考えればごく普通。だがCPUの温度に大きな違いがある点に注目。負荷終了寸前の温度差は約2~3℃で、第6世代Coreを搭載したLM-iG460Sの方が温度が低い。ケースの設計が改善されたせいというよりは、CPUの熱設計が改善されたせいといえるが、従来よりもより安心して使えるようになっているのだ。

Skylake&Windows 10搭載のデスクトップPCならこれ!

 以上ざっくりとLM-iG460Sを使っていてグッときたポイントを紹介してきた。一見すると地味めの外見だが、フロントパネルの周囲がアルミヘアライン風の仕上げになっていたり、ケース内部の構造がガッチリしていて、輸送時の事故を極力減らす努力をしているなど、細部にまで手抜きのない製品といえる。

 メモリーが8GB(シングルチャンネル)なのが気になるかもしれないが、オフィス系アプリやゲームなら問題はなし。凝ったRAW現像や動画編集に挑戦するような人は、BTOでメモリー増設をすればOK、という絶妙な塩梅。

 Skylakeも出たし、そろそろWindows10で新しいPCが欲しいなと考えているなら、このLM-iG460Sは買って損のない一台といえる。