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リード・ヘイスティングCEO インタビュー

Netflix上陸翌日、創設者が「テレビの自由と選択」を語る

2015年09月02日 21時31分更新

文● 鈴木誠史/ASCII.jp

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「今朝も『ナルコス』を見ていました」

ー まだ開始から数時間ですが、実際にローンチした手応えはいかがですか。

「非常に良い感触を得ています。初動としては、エクセレントな数字が出ました。ですが申し上げたとおり、数字はどうでもいい。1年目で求めているのは満足度。数が少なくても、ユーザーに強く愛されるほうがいい。2、3ヵ月後の視聴頻度、そして有料プランに切り替えてくださるかどうかで、気に入ってくださったかどうかが分かるでしょう」

ー Netflixは4K作品の配信を強くアピールしていますが、4Kによってどれだけのユーザー数を獲得できると考えていますか。

「4Kは新しく、まだ始まったばかり。実際の利用率も1桁台ほどです。Netflixの全ユーザーの総視聴時間の5~10%が4K作品。ひとつ言えるのは、現在、最も多く4Kコンテンツを備えているのがNetflixであり、我々が製作するコンテンツのほとんどは4Kです。日本はネット環境が充実していますし、市場はこれからさらに拡大するでしょうね」

ー お気に入りの4K作品はありますか。

「時差ボケで早起きしてしまって、今朝も『ナルコス』を見ていましたよ! ストリーミングでも画質はとても美しいのです。ノートPCで見ていましたので、4K視聴はできませんでしたが……。ほかには『ボージャック・ホースマン』がオススメです」

「ナルコス」(左)と「ボージャック・ホースマン」(右)。(C)Netflix. All Rights Reserved.

ー 4Kだけでなく、HDRのインパクトも大きいと思います。今後対応すると伺っていますが、現状はいかがでしょうか。

「テレビメーカーと話を進めています。HDRにはまだ標準規格がありません。『UHD Alliance』『Dolby Vision』……みんな、どっちのソリューションがメインになっていくのかわからない状態です。どちらかに決まり次第、お届けできる準備を整えています。

 いずれにせよ高価なテレビが必要になるのは問題ですし、ハードとしてのテレビがまだ充実していません。それに、HDRで空の映像を見ると、サングラスが必要なほど明るすぎるのです! でも、来年にはHDR作品を届けられるでしょう」

多くのユーザーに見てもらえるほど、我々は学ぶことができる

ー 人気番組の続編「TERRACE HOUSE BOYS&GIRLS IN THE CITY」の独占配信が始まりました。日本独自のコンテンツはこれから増えていくのですか。

「視聴傾向によって、今後制作するコンテンツも変わると思います」とリード氏

「もちろんです。そして、テラスハウスのように世界中に輸出します。コンテンツがさらに増えていくのは、もう少し後になります。どのような作品に人気が集まるかかがわかってからとなるでしょうから。

 多くのユーザーに見てもらえればもらえるほど、我々は学ぶことができます。視聴傾向によって、今後制作するコンテンツも変わると思います」

ー 独自のアニメコンテンツを制作する可能性はあるのでしょうか?

「日本のプロデューサーの方と話をしていますよ。日本のアニメは世界中でとても人気がありますからね」

ー 日本でよく見られているニュースやスポーツ中継など、生配信は行なわないのですか?

「答えはNOです。音楽、書籍などを配信するつもりもありません。音楽などはYouTube向きですね。何かに秀でたいのであればフォーカスが必要です。ですからNetflixは、映画とテレビ番組の配信だけを行なうのです」

Netflixは映画とテレビ番組の配信にフォーカスする。「デアデビル シーズン2」ほか、今後のラインアップも公開されていた


(次ページに続く)

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