根強い人気を誇る従来型ケータイ(ガラケー)。通話やメールが中心であれば、その使い勝手はいまだ魅力的だ。とはいえ、ウェブを見たり、LINEなどの最新サービスを使うには、どうしてもその性能不足が目立ち、またガラケーではそもそも利用できないサービスも増えている。
そこで今年になって登場したのが、Androidベースの新世代ガラケーだ(「ガラホ」などとも呼ばれている)。操作体系はほぼそのままに、快適なウェブ閲覧など、スマートフォンをベースにすることでのメリットをガラケーの世界に持ち込んでいる。
そんな新世代ガラケーはau「AQUOS K」が先行し、夏モデルではドコモも富士通/シャープ製の2製品を発表した。今回はそのうち富士通による「ARROWS ケータイ F-05G」をチェックしていく。
見た目や操作感はガラケーそのもの
スマホベースでウェブ閲覧時の快適さが断然
このARROWSケータイ、AQUOS Kと同様に、見た目は完全なガラケーそのものだ。テンキー周りやメニューなども同様で、ディスプレーには3.4型FWVGA液晶(480×854ドット)を採用する。ただしスマホと違って、タッチ操作には対応しない。背面にもサブディスプレーがあって、時間や着信などを知らせてくれる。
側面にはマナーキーもあり、端末を閉じた状態でマナーモードのオン/オフが可能。ヒンジ部のワンプッシュボタンで端末を開くことができるなど、使い勝手はやっぱりガラケーそのものだ。
テンキーの下部にある3つの「お気に入り」ボタンは、それぞれ短押し/長押しで、計6個の機能を割り当てられる。デフォルトではLINEの起動やスクリーンショットなどだが、自分好みでカスタマイズが可能だ。
スマホベースになったことで、性能が大きく上がっているのはやはりウェブブラウザー。TwitterやFacebook、Gmailなど、スマホ向けに用意されているウェブサービスも快適に利用できる。
前述したようにタッチ操作には対応しないが、カーソルキーでマウスカーソルを動かす「マウスモード」、ケータイのブラウザーのようにカーソルキーでスクロールや選択部分を移動する「ケータイモード」が切り替えられるほか、画面のズームをテンキーの「1」「3」キーで可能だったりと、想像以上に快適にウェブが楽しめる。
ただし、やや気になったのは通信速度。4G LTEに対応したauのAQUOS Kと異なり、ドコモの新世代ケータイは3G止まり。都心部でのドコモ3G回線は速度面で厳しくなってきている。スマホ用サイトの表示にはそんなに時間がかからないのだが、レスポンスがやや悪く、待たされているという感じもする。また、Wi-Fiにも対応していないので、固定回線が敷かれた自宅でも同じだ。ただし、これは筆者がLTEスマホに慣れきっているという要素もあるかもしれない。
LINEについてはアプリが標準でインストールされている。ガラケーでもウェブベースで利用できるが、機能面ではスマホ版と大きな差があるのが現状だ。ARROWSケータイのLINEであれば、テキストやスタンプはもちろん、LINEでの無料音声通話も利用できる。スタンプショップも用意されてはいるが、追加可能なのは多彩なスタンプの中の一部で、有料のスタンプを購入することはできない。
なお、料金については、3G端末ということもあり、既存のドコモ3Gケータイ用のものがそのまま利用できる。また、通話を頻繁にしたり、スマホとの2台持ち、もしくは家族の中にスマホユーザーがいるなら、新プランの「カケホーダイ&パケあえる」で、国内音声定額の「カケホーダイプラン(ケータイ)」(月2376円)やシェアパックに加入するといいだろう。
(次ページでは、「ガラケーの使い勝手と楽さがそのままの新世代ケータイ」)