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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第414回

梅雨だから撮れる、しっとりとした風情の猫たち

2015年07月10日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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とある公園にて。兄弟だか親子だか、傘の向こうとこっちで向かい合ってる姿が印象的だったのだった。雨が本格的に降ってきたら2匹とも中に隠れるんだろうな(2014年12月 オリンパス OM-D E-M1)

とある公園にて。兄弟だか親子だか、傘の向こうとこっちで向かい合ってる姿が印象的だったのだった。雨が本格的に降ってきたら2匹とも中に隠れるんだろうな(2014年12月 オリンパス OM-D E-M1)

 いやあ、梅雨なので天気がはっきりしない日が続きますな。梅雨といっても毎年様相は違うし、地域によっても違うので何とも言えないけど、まあ天気はよくないから撮影散歩という気分にはなりづらいですな。逆に晴れても暑くて散歩する気にならないので同じなんだけど。

 で、大雨だと猫はめったに顔を出さないけど、降ったり止んだりや小雨程度ならちょこちょこと歩き回ってるのである。

 空がどんよりした日に街を歩いてると、誰が作ったのかビニール傘を使った猫用の雨除けをよく見かける。

 地域猫のために作られたものもあれば、まあそこに棲みついた猫のために勝手に誰かが作ったんだろなというあやしげなものもあるけど、おかげでこんな光景も。

 冒頭写真がそう。

 直前まで雨が降ったり止んだりしてた日のとある公園。隅っこにビニール傘を組み合わせた簡易ハウスが。いつもあるわけじゃなさそうなので、きっと雨の日に合わせて誰かが置いたんだろう。

 屋根の中と外。両方にいるのがポイント。

 こういう日は防塵防滴のカメラが役立つ。多少雨に濡れても構わず撮れるから。

 傘でできた簡易ハウス第2弾はこちら。

 ビニール傘のみならず、紺に青いドットの傘も含めて、ガードレールをうまく使ってる。交通の邪魔かというと車が入ってこない狭い路地なのでそんなことはなく、許されているのだろう。発泡スチロールのベッドと傘があれば十分。

都会の片隅で猫。飲食街だけあってこの手のスチロールには事欠かず、きっと食べ物にも事欠かず、回りのお店やお客さんに見守られているのでしょう。そっと近寄って撮影(2015年7月 リコー GR)

都会の片隅で猫。飲食街だけあってこの手のスチロールには事欠かず、きっと食べ物にも事欠かず、周りのお店やお客さんに見守られているのでしょう。そっと近寄って撮影(2015年7月 リコー GR)

 第3弾は都会の片隅、ビルに挟まれて日当たりの悪い小さな公園。たまたま横を通りかかったら、草むらに透明のビニール傘が無造作に置いてあってピンときたのだ。

 そっと覗き込んで見ると、ちょっとやさぐれた猫が1匹。

公園の片隅、道路からは完全に死角だったのだが、ビニール傘があやしいと思って覗き込んだら丸くなってる猫を発見。じっと何かを待っている風でありました(2015年7月 富士フイルム X-T1)

公園の片隅、道路からは完全に死角だったのだが、ビニール傘があやしいと思って覗き込んだら丸くなってる猫を発見。じっと何かを待っている風でありました(2015年7月 富士フイルム X-T1)

 小雨が降り続いてるのにビニールの下にも入らずじっと座ってた。

 そうそう、こういう日は昼間でも暗いので手ブレや被写体ぶれに注意。思い切ってISO感度を上げて撮るのがいい。

 濡れたアスファルトと猫って姿もまた乙なので、そんな写真を。

 冒頭写真はとある公園で、猫ボランティアの方を見つけて寄ってきた猫。小雨だったのと、たぶんそれまでどこかで雨宿りしてたせいで毛は濡れてないけど、地面の濡れ具合や後ろのビニール傘で天候がわかりますな。

小雨程度なら気にせず、夕御飯の時間になったらどこからともなく現われるのが地域猫。貫禄のある表情で登場(2015年4月 富士フイルム X-T1)

小雨程度なら気にせず、夕御飯の時間になったらどこからともなく現われるのが地域猫。貫禄のある表情で登場(2015年4月 富士フイルム X-T1)

(次ページに続く、「雨上がりも狙い目! しっとり感がいい感じに

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