5月にスタートし、新聞などを中心に大きな話題になったSIMロック解除の義務化。一方で、格安SIMやSIMフリーのスマートフォンが量販店などで積極的に販売されるようになってきた。
これまで日本ではキャリアがケータイやスマホを販売し、そのキャリアと契約して使い続けるのが当たり前だった。その状況を変える可能性があるSIMロック解除の義務化やSIMフリースマホは、どういうものでユーザーにとってどういう意味があるかを、アスキースマホ総研が詳しく解説します。
新聞によく載っているSIMロック解除義務化って何?
まずは基本知識を確認しよう!
ドロイド カリーさん、カリーさん、5月からSIMロック解除義務化というのが始まったんですよ!
スピーディー 新聞なんかではよく取り上げられているよね。ところで、カリーさんが持ってるiPhoneはSIMロックがかかっているんだよ。知ってる?
カリー な、なんだってー! ……ってさすがに知ってますよ! 普段はソフトバンクとauのiPhoneを使ってますけど、それぞれ違うキャリアのSIMをiPhoneに挿しても動かないんですよね!
スピーディー さすがに理解しているか! ところで、なんでSIMロックがかかっているのか説明できる?
カリー うーん。iPhoneやAndroidスマホって、本来の価格より、安い値段で販売されていることが多いけど、それなのにすぐに他のキャリアにお客さんが移動してしまったら、割が合わなくて困るってことですよね。
ドロイド 特定のキャリアでしか使えないように制限されている代わりに、新製品が手に入りやすい。このシステムが日本のケータイ業界を活発にさせてきたことは否定できないです。
カリー じゃあ、なぜSIMロック解除が義務化されたのですか? ていうか、誰が指示しているの?
ドロイド それは総務省ですね。2014年12月に改正された「SIMロック解除に関するガイドライン」では、今年5月以降に発売するスマホについて、SIMロック解除を可能にすることを求めています(関連記事)。このガイドライン自体は、もともと2010年に出されたもののなのですが、そのときは実質的に義務化にはなっていなかったのです。
カリー なるほどー。だからその頃からドコモのAndroidスマホはSIMロックを解除できたわけですね。でも、SIMロックを解除できるとみんなハッピーなんでしょ? 総務省偉い! ……んでしょうか?
ドロイド そもそもSIMロック解除を義務化したのは、総務省がキャリア間の競争を促そうとしているという背景があります。現在は主要キャリアの3社間で、料金などで三すくみの形になることが多いのは否めないです。だけど、SIMロック解除が義務化されたからといって、すべてのユーザーに大きなメリットになるとは言いがたい部分もあるのかなと。そこが少し難しい。
カリー えええー。SIMロック解除でみんなハッピーでいいじゃないですか! なにがどうハッピーなのかわからないけど。
スピーディー カリーさんは完全な感覚派だな。まあいいや、SIMロック解除での最大のメリットは海外渡航時なんだけど、そのへんの話はこれから詳しくしていこう。
(次ページでは、「SIMロックを解除すると、海外で割安な現地SIMが使える」)
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