最初にこんなニュースを紹介したい。4月26日の夜のこと、武漢で3人の男が住宅街で、人気番組の抽選コーナーを真似た謎の大抽選会を突如開催。
1等は「iPhone 6を1099元(約2万2000円)で購入できる権利」であったものの、1等をひいた住民の王さんは、それがすぐに山寨機(ニセモノ)だとわかり抗議。
すると、3人の男は王さんを殴りつけて逃走した(4月27日、武漢晩報)。王さんは武漢晩報にこの事を話し、情報料50元を獲得した。
イベントを見に行ったと思えば、参加し騙され殴られるという、なんとも踏んだり蹴ったりな話である。なにせiPhoneはiOSを搭載していることから、iPhoneにかなり似せたAndroid搭載機のニセモノは(あるにはあるが)珍しく、イチから似せようとしたものはその多くが上記の話のように、素人でも何かおかしいと判別できる。
だが、iPhoneの一部分だけがニセモノだったら判別できるだろうか。
ガワはホンモノだけど中身がニセモノのiPhone!?
「翻新機」という単語がある。その意味は、日本の大手中古PCショップでも見かける、メーカー自らによる「リフレッシュPC」などの再生機である。だが、中国の悪徳業者が「中身をリフレッシュして販売」となれば……。
確かにマザーボードやCPUやメモリーなどの主要パーツは変えられない。しかし、ディスプレーやバッテリーやガワは変えられる。中古を入手し、ガワや各パーツを中国製の安価なニセモノに変え、オリジナルのディスプレーやバッテリーやガワを修理パーツ用として手元に残し、翻新機のiPhoneを売る業者がいる。
深センではパッケージングやアクティベーションロック解除やIMEI番号改変のサービスもあり、複数の業者を経て、中古で買い取った製品が「新品未開封の製品」として売られ、中国全土に流れていく(淘宝網でも確認できる)。
(次ページに続く、「サムスンの高級機種は90%超がニセモノ!?」)
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