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幼児がアプリ開発!? デジタルネイティブたちのおけいこ事情

2015年05月05日 10時00分更新

文● 相川いずみ 編集●北村/ASCII.jp

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小学生ならではの発想が生きるゲーム製作

 今回子供たちのパワーを感じたのはこの体験だけではない。Qremo主催のイベント「Qremoフェス」でも、小中学生達の自由の想像力に圧倒された。

 Qremoフェスは、生徒たちが保護者向けに自分の作品を発表する一大イベントで、今回はゲームプログラミングコースから名乗りを上げた小学2年生から中学3年生まで、計14人のプレゼンを見学してきた。

生徒たちが保護者向けに自分の作品を発表する「Qremoフェス」

 人前で発表するのは初めてという子供も多いということだが、みんな自分の好きな、しかも自分が一から作り上げた作品の発表だけあって、熱のこもった熱いプレゼンとなった。プレゼン後、実際の作品をスクリーンで披露し、最後に質疑応答を行なう。

自分のゲームプログラミングをプレゼンし、最後にできあがった作品を披露する

 このゲームプログラミングコースで使われているプログラミング言語は「Scratch」だ。MITディアラボが開発したScratchは、構文が書けない子供でもアニメーションやゲームが製作できるプログラミング環境で、誰でも無料で使用可能。

 動きや音などの命令ブロックを並べていくだけというと簡単に思えるが、子供達は各々様々な工夫を凝らしていた。

命令ブロックを並べてスクリプトを組んでいく

 たとえば4体の敵が追いかけてくるのをかわして画面上を動き回るというアクションゲームでは、自分のキャラクターのダミーを作り追いかけさせているように演出するなど、大人顔負けの凝ったプログラムが組まれていた。

 質問タイムでは、「ステージの切り替わりはどうプログラミングしたの?」や「この敵の動きはどうやって?」など、生徒たちから鋭い質問が飛び交った。いずれもプログラマー目線な質問が多かったのが印象的だった。

それぞれの作品を講評する審査員

 会場には、ゲームメーカーのネクソンと、ルンバや知育ロボットRomoの代理店であるセールス・オン・デマンドの担当者が審査員として参加し、それぞれの作品に講評を行なっていた。

ネクソン賞を獲得した中学3年生の作品「ドンパチ」(左)と、そのスクリプト(右)

 ネクソン賞を獲得した中学3年生の作品「ドンパチ」は、2人で対戦できるシューティングゲームで、プレゼンを見ているだけでも遊びたくなってしまった。「対戦にしたことにより、プログラミングの作業が倍になり大変だった」とのこと。

Romo賞を獲得した「初代脱出ゲーム」(左)と、そのスクリプト(右)

 Romo賞を獲得したのは、小学4年生の作品「初代脱出ゲーム」(名前のとおりシリーズ1作目で、続編もすでに開発中とのこと)。オリジナルの脱出ゲームで、ことわざにちなんだ謎解きが隠れているなど、その自由で型破りな発想に参加者も笑い声や感嘆の声を挙げていた。

 「プログラミング能力だけでなく、ゲームデザイン、ストーリーとゲーム制作に必要な3つの要素をすべて持ち合わせている」と、セールス・オン・デマンドの本山氏も絶賛だった。

ゲーム好きな子供を通わせてみたら……?

 こういったプログラミング教室の授業料は月4回の授業で2万円前後と、ほかの習い事と比べてやや高いため、保護者としても習わせるかどうか悩むところだろう。

 小学2年生から1年通い続けているという男の子のお母さんに話を聞いたところ、「ゲーム好きでゲームばかりしているので、だったらゲームで稼げるぐらいになれば?」と通い出したそう。

 最初は慣れないプログラミングにとまどい、先生に聞いてばかりだったそうだが、通い出して半年後に友達の作成したプログラムを見て「あんなゲームをつくりたい!」と一念発起。

 そこからは自分でどんどんアイデアを出してゲーム作成に励み、今回の発表でもアクションゲームを堂々とプレゼンしていた。

自分でプログラミングしたゲームを、みんなの前でプレゼンする。いかに自分の作品をアピールできるかを身に付ければ、実社会でも役に立つに違いない

 「とにかくプログラミングが楽しくてしょうがないみたいです。作ったゲームは恥ずかしいのか、家族にはたまにしか見せてくれないのですが……」。

 将来の夢はゲーム作家かと思いきや、現在は野球選手とのこと。野球ゲームを作成したりと、夢と趣味をうまく組み合わせゲーム作りに生かしているそうだ。

体験コーナーでプログラミングに挑戦する子どもたち

 幼児からスマホやタブレットが当たり前にある環境で、小学生がゲームプログラミングをたしなむこの時代。将来どんなゲームやアプリが登場するのか、楽しみに待っていたい。

【取材協力】

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