広角レンズと海岸の景色
今回は交換レンズなし、レンズ1本での撮影です。用意したのは焦点距離15-36mm(35mm判換算)の広角ズームレンズ。第4回でも解説した通り、肉眼で見たときに比べて被写体が遠くに写るため、遠近感が強く感じられます。もう一つの大きな特徴は、肉眼で見るよりも広い範囲を写真に収められること。由比ヶ浜の広い海岸線をとらえるにはピッタリです。
これまでで最も画角の広いレンズですが、かんちゃんが撮影で困る様子は見られませんでした。毎回違うカメラを使ってきたせいか、基本的なカメラやレンズの操作はすっかり説明いらずです。
徐々に駅から遠ざかり、海岸へ続く一本道を進むと、潮の匂いが漂ってきます。「こういう匂いだったり、潮風で髪がぱさっとしたりすると、『海に来た!』って実感が湧きますね」と彼女。海が見えると歓声を上げて、海岸の方へ降りていきました。
快晴のため海は青く、水面は照り返しで綺麗に輝いているという、非常に撮影しがいのある条件です。かんちゃんもさっそくシャッターを切り始めながら、歩くときの砂の感触を楽しんだり、貝殻を拾ったり、合間合間に海を満喫している様子。
海岸で撮影した写真のうち、広角レンズの特性がよく出ているのがこちらです。
長く伸びた海岸線をやや斜め方向から切り取り、ダイナミックに遠近感を出しています。手前の砂浜に残った足跡の影が非常に印象的です。このように、肉眼で見る景色とは一味違った風景を楽しめるのも写真の魅力ですね。
(次ページ、「『海はたそがれに来る場所』」に続く)
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