シトリックスXenApp/XenDesktopも含め“WEM”コンセプトに基づく管理環境を実現
ヴイエムウェア、新しいワークスペース管理製品群を発売
2015年04月24日 06時00分更新
ヴイエムウェアは4月23日、エンドユーザーコンピューティング(EUC)領域において新製品などの発表を行った。ユーザー環境の中央管理製品「VMware User Environment Manager」や、Citrix XenApp/XenDesktop環境向けの統合管理スイートなどの一般提供を開始している。
「Workspace Environment Management」コンセプトとは
ヴイエムウェア マーケティング本部の本田豊氏は、今回発表された新製品や新機能は、いずれも同社が2月に発表したワークスペース管理のコンセプト「VMware Workspace Environment Management(WEM)」を具現化するものだと説明した。
「WEMは、ワークスペース環境の管理のための新しいコンセプト。具体的には、『OSやユーザーポリシーと分離してアプリを配信可能にする』『ユーザー個別のプロファイルや設定を集中管理する』『アプリをエンドツーエンドで監視氏、問題があれば迅速にトラブルシュートする』という、3つのアプローチを、仮想/物理/クラウドのすべての環境に提供していこうという概念だ」(本田氏)
本田氏はこう説明したうえで、WEMを具現化する新しい製品/機能群を紹介していった。
パーソナライズされた環境を仮想/物理/クラウドに提供
User Environment Manager(UEM)は、ヴイエムウェアが今年2月に買収したImmidio(イミディオ)の製品をポートフォリオに統合したもの。仮想デスクトップ(VDI)/物理デスクトップ/クラウド(DaaSなど)のWindowsデスクトップ環境間で、ユーザーごとにカスタマイズ(パーソナライズ)されたOSやアプリの設定、プロファイルを中央管理する。管理者側からは、多数のユーザーに対してポリシー設定を動的に一元適用できる。
UEMのこうした仕組みにより、ユーザーがどんなデバイスを使っても、一貫してパーソナライズされた環境が利用できるようになる。
シトリックスXenApp/XenDesktopの管理も最適化
「VMware Horizon Application Managementバンドル」は、シトリックスのXenAppやXenDesktopを導入している顧客向けに、WEMの包括的な管理環境を提供するパッケージ。
具体的には上述のUEMのほか、アプリやユーザー、インフラなどのパフォーマンス情報を収集して可視化/分析しトラブルシューティングを簡素化する「vRealize Operations for Published Applications」、管理者がユーザーのワークスペースにアプリケーション(セット)を瞬時に配信できる「App Volumes」、アプリの実行環境をカプセル化して分離可能にする「ThinApp」、企業内アプリカタログを提供する「Workspace Portal」がパッケージされている。
本田氏は、VMware vSphereとXenApp/XenDesktopという組み合わせで導入している顧客も多く、「シトリックス環境への投資を保護しながら、(WEMのコンセプトを適用して)管理を最適化したい、管理コストを改善したい、シンプル化したいという顧客ニーズに応えて提供する製品」だと説明した。
HorizonでLinuxデスクトップも提供可能に
その他、昨年4月に発表したHorizon 6(関連記事)の機能強化に関するロードマップも紹介された。
まず、ゲストOSとして新たにLinuxにも対応する。本田氏によれば、Windowsとは異なりデスクトップライセンスが不要のため、コスト効率の高いVDI環境として特に「中国で非常に需要が大きい」という。そのほか、教育機関などでの利用ニーズも見込んでいる。今年第2四半期後半に正式サポートを開始予定だ。
また、新たにHTML5経由で公開アプリケーション(RDSHアプリケーション)にアクセスできる機能と、Chromebook版のネイティブクライアントを提供する。こちらも今年第2四半期からの提供予定。
本田氏は、ヴイエムウェアがこの18カ月間でEUCソリューションを強化してきたことに触れた。
「ヴイエムウェアでは過去18カ月間、新製品の投入や企業買収などを通じて、EUCのソリューションにはかなり力を入れてきた。もちろんこれで終わりではなく、まだまだ改善や機能強化を進めていく」(本田氏)