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ヤマハ謹製“音のビーム”でヘイグス粒子砲が唸る!

シドニアの騎士5.1chをサウンドバー「YSP-2500」で聴いた

2014年11月14日 11時00分更新

文● ASCII.jp編集部 撮影●篠原孝志(パシャ)

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シドニア船内の音響表現は必聴 (C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

5.1chの実力はシドニア船内の居住区崩壊シーンでわかる!

 続いて、序盤の大きな見せ場である第4話「選択」での“斜め加速”のシーンを見てみよう。急激な方向転換でシドニア船内の中央塔や居住区がきしみ、崩れた建築物が落下するなど、大きな被害が出る場面。

 人物なども含めてほぼ3DCGで制作されたこの作品は、細かい瓦礫など手描きでは困難と言えるレベルで描き込まれているが、それ以上に驚くのが音。シドニアのエンジンを点火するときの轟音はもちろん、傾いていく船内では居住区の建物が軋んで壊れていくような音まで入っていて臨場感が抜群だ。

 放送時もテレビアニメ離れした凝った音作りが話題となったが、BDにはテレビアニメとしては異例の5.1ch音声が特典として収録されている。『これぞ次世代のアニメ表現』と思わせるような3DCGが目立つ作品だが、BD版の真の主役は音である、とここで主張しておきたい。

シドニアの加速で居住区が破壊されるシーンでは、上方から押し潰されるような轟音に驚愕! 直前の噴射シーンも、音場に包まれる感が強烈だ (C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

編集者A 「それにしても、音の迫力がすごいですね。奇居子のうなり声のような音も凄いですが、斜め加速するときの空気が震える感じや、建物が壊れるときの音はリアルに恐怖を感じる迫力ですよ」

編集者B 「音のダイナミックレンジや低音の伸びは、テレビアニメの基準を超えるレベル、映画作品と変わらない音が入っていて驚きます。それだけでなく、しっかりと再現できるサブウーファーがあることも重要

編集者A 「このサブウーファーなんですが、さっきから気になっていましたが、本体とつながってませんよね? 何で音が出てるの?」

編集者B 「これはワイヤレス接続なんだ。これもYSP-2500の進化点の1つ。配線が不要なので接続の手間が減るし、サブウーファーの置き場所の自由度が高くなる」

サブウーファーとセンターユニットはワイヤレス接続。サブウーファー側は電源ケーブルのみでOK (C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

編集者A 「サブウーファーとの配線がないというのは、部屋に置いたときにコードがごちゃごちゃしないのでありがたいですね」

編集者B 「それだけじゃない。ワイヤレス接続ということで、サブウーファーには駆動のためのアンプを内蔵している。しっかりと音を吟味したパワーアンプを備えることで、比較的小さなサブウーファーながら低音の再現能力がさらに高まっているわけ」

編集者A 「なるほど、空気が震えるような凄みのある音はコイツが再現していたんですね」

 その後、編集者A、Bともに『シドニアの騎士』に夢中。全6巻からなるテレビシリーズ第1期を全話見てしまうような勢いだ。さすがに全話視聴は時間的に厳しいので、最後に最大の強敵とも言える第8話「不死」での紅天蛾との対決シーンを観てみることにした。

(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

 衛人操縦士を取り込み、衛人のような姿に擬態した紅天蛾は、これまでの奇居子とは異なり、衛人のような動きで操縦士たちを翻弄する。スピーディーな戦いが展開する手に汗握る場面だ。

編集者A 「衛人と紅天蛾のバトルがテンション高いですね。目が追いつかないほどの素早い動きだけど、移動する音が再現できているのでどっちへ行ったか直感的にわかります。コクピット視点が入ることもあって、自分で衛人を操っている気分」

編集者B 「このサラウンド感が、後ろで見ている僕でもちゃんとわかる。本格的な5.1chと同じようなスイートスポットの広さがあるのはさすが」

編集者A 「スピーカーの目の前の位置から離れてもサラウンド感がちゃんと味わえますね。それに、後ろから音が出たときなんて、そっちを振り向くとちゃんと後ろから音が出ているように感じます。なんとも不思議な気分です。バーチャルだと振り向いた途端、サラウンド感が一気に減衰するのに……」

編集者B 「それこそまさにリアル5.1chサラウンドの醍醐味。バーチャルサラウンドではここまでのサラウンド感はなかなか難しいでしょ」

 ちょっと付け加えておくと、バーチャルサラウンドも研究が進んでいて、ヤマハがエントリークラス向けに発売しているバーチャルサラウンド採用のサウンドバーは、バーチャル7.1chを実現している。

バーチャルサラウンド技術も研究が進んでおり、ヤマハの「AIR SURROUND XTREME」は定位感がしっかりしていて、移動感がわかやすく聞こえる

 しかし、実際に音のビームを操り、壁に放射して後ろからの音を再現するデジタル・サウンド・プロジェクター形式の再現性には敵わない。後方にスピーカーを配置しているかのような音の定位、そして周囲の音が再現できることでサラウンドならではの“音に包まれている感覚”をリアルに味わえること。これがYSPシリーズのアドバンテージなのだ。

 しかも最新モデルのYSP-2500では、ここまで説明したように肝心の音質自体も大幅に向上しているので、サラウンド再生によるリアルな雰囲気もより豊かに味わえる。

編集者A 「それにしても、紅天蛾と衛人の戦闘シーンでは効果音や爆発音の迫力だけででなく、BGMも厚みたっぷりの音で盛り上げてくれますね」

編集者B 「これ、じつはヤマハ得意のシネマDSPの効果も加えているから。今回は映画用のモードから“spectacle(スペクタクル)”を選んでいるけど、音場のスケール感が雄大にスピード感が歯切れよくなっていて、こういった迫力満点のバトルが展開する場面ではより臨場感豊かな音が楽しめるんだ」

シネマDSPの効果は面白い。エンタメ系のコンテンツではひと味加わって迫力が増す (C)弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

編集者A 「シネマDSPオフと聴き比べてみると、音場の広がりと厚みがたっぷりになりますね。シネマDSPオフにしたオリジナルのままも、方向感がわかりやすく、細かい音がしっかり聴こえる良さがありますが、ロボットのバトルを楽しみたい僕にはシネマDSPオンのほうが好みですね」

編集者B 「シネマDSPには映画用に3つ、ほかに音楽用やゲーム用なども用意されているから、好みに合わせて使い分けるともっと楽しめるよ」

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