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Adobe Creative Cloudのこれから

なぜ、Photoshopが980円で使えるようになったのか

2014年10月04日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp編集部

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カメラで撮ってもスマホで撮っても一元管理!

リニューアルしたCreative Cloudのサイト。ログイン後はカスタマイズも可能だ

 「アドビのホームページって、実は6月19日でガラッと様変わりしまして。Adobe IDでサインインすると、ウェブ上でも写真のコレクションを見られるんですよ。

 写真を撮るデバイスって、たくさんあります。一眼レフもそうですし、コンデジもありますし、最近ではiPhoneやスマートフォンの画質はものすごくクオリティが高いので、立派に撮影機材です。

 でも、あくまで私の意見ですが、撮影機材がいっぱいある分、絶対みんなちゃんと管理してないんですよ(笑)。スマートフォンは特に手軽すぎるので、撮った写真も買い替えの際に端末と一緒にどこかへやっちゃったりとか。あと、iPhoneやiPad用のフリーウェアは沢山ありますけど、『編集するのはこのソフト』『管理するのはこのソフト』と、目的によってバラバラに使っている方がすごく多いんですね」

—— 「買い替えのときに端末と一緒にどこかへやっちゃったり」って、すごく覚えがあります(笑)。

 「フォトグラフィプランを利用してウェブで管理しておけば、閲覧も編集もぜんぶ一元的にできちゃう。編集も同期されるし、ウェブ経由で全部見られる。この一貫性が大きなメリットだと思いますね」

SNSへの投稿もウェブ版から可能。それも編集したものをすぐに共有できる

—— この管理方法は本当にいいですね! カメラ、スマホ、タブレットの写真がすべて1ヵ所で管理できる。

 「あと、例えばスマートフォンやPCで編集したものを、ウェブ版からSNSにそのまま公開することも可能です。最新のLightroom Webではコメントをいれたり、お気に入りボタンをつける事もできます。

 Creative Suite(以下CS)までのPhotoshopやLightroomというのは、PC上、デスクトップ上での活用が中心でしたが、iPadやiPhoneなどのモバイルデバイスでの利用に加えて、ウェブでも共有ができる。写真の楽しみ方が増えるというのがポイントですね。最近はメモリーカードにWi-Fiの機能を持っているものがあるじゃないですか。あれを使ってデータをモバイルに飛ばすと、この機能がもっと力を発揮できますよ」

—— CCにすごく合った仕様ですよね。PhotoshopやLightroomのユーザーは、iPhoneやiPadのユーザーと大きくクロスしている気がしますし。

 「そうですね。モバイルデバイスというカテゴリーでくくると、iPadは使っている人口が限定されていると思うのですが、iPhoneでいうと、利用人口が全然違いますよね。なのに、こういうアドビのソリューションを皆さんご存知ないんですよ。ぜひこれをきっかけにプロフェッショナルだけでなく一般の方々、写真が大好きな方々が使う一品としてもオススメしたいと思うんです」

アドビ栃谷氏直伝、フォトグラフィプラン活用法

—— フォトグラフィプランの“本当のよさ”を知れた気がします。ついでといってはあれですが、この機会にぜひ、アドビさん直伝の便利な使い方を教えて頂きたいです。「これぞ」というものはありませんか?

 「あります(笑)。スマートフォンの写真って、標準でExifのタグが付いて位置情報が入りますよね。一眼だとGPSモジュールを搭載しているか、オプションをつけなければGPS情報は入らないものが多いと思うんですよ。

 なので、スマートフォンで“おさえ”の写真を一枚撮っておいて、それから本番環境の一眼レフで撮影する。デスクトップ版・ウェブ版のLightroomだと、写真のGPS情報をもとにしてGoogleマップが表示されます。そこに一眼レフで撮った写真をドラッグ&ドロップすると、GPS情報がない写真のExifデータにも、GPS情報を付与できるんですよ」

GPS情報を持たない写真のExifへ、他の写真のGPS情報をドラック&ドロップで付与できる

—— ドラック&ドロップでOKなんですね! ものすごく便利だ……。

 「こうしておけば、どの場所でどの写真を撮っておいたのかを記録しておける。フォトグラフィプランだとこういう活用もできるんです。

 もちろんPhotoshopとも連携できるので、(Lightroomで見て)パースが狂っているなという場合にはPhotoshopの「遠近法ワープ」を使って、調整をかけたり……あるいは編集した写真のビルを増やしたりとか(笑)。そんなこともできますよね」

「このセットがPhotoshopとLightroomのベスト」

アドビが提案するワークフロー。角の丸いアイコンはLightroom Mobileを示す

—— また話が戻りますが、PhotoshopとLightroom、いずれも写真に関するアプリケーションですよね。それで、CCではCSの時代よりも両者がシームレスにつながれる仕様になった。ここを統合してしまう考えはありましたか?

 「お客様からの要望としては(一緒にしてほしいという意見も)あるのですが、開発としては予定はないですね。というのも、Lightroomは完全に“写真家向けのソフトウェア”と位置づけていますけれども、Photoshopは万能選手です。写真家だけでなく、デザイナーさんとかウェブ業界の方とか一般企業とか、色んな業種の方に使われているものなので、Lightroomを統合して肥大化させれば、お客様側に問題が出てきます。

 PhotoshopとLightroomは機能的にはたしかにすごく似ている部分があるんです。ある程度の編集であればどちらのソフトでも可能ですし。でも、例えば写真の管理や検索だけならLightroomのほうが便利ですね。先ほどのような高度な編集作業や合成、レイヤーを使って作り上げていくような作業ならPhotoshopが便利です。やはりこのセットの“ソリューション”として提供していくのがベストかなと思いますね」

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