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Boxの企業向けソリューションは着実に進歩、しかし後ろからアマゾンが来ている。

2014年07月11日 08時05分更新

文● 松下 康之(Yasuyuki Matsusihta)/アスキークラウド

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 クラウド・ストレージのBoxでグローバル・マーケティングを担当しているシニアバイスプレジデントのホイットニー・ブック氏が来日し、ガートナーのマジック・クアドラントでの評価に関する記者発表を行った。

ガートナーの調査を紹介するブック氏。
ガートナーの調査を紹介するブック氏。

  ブック氏は、ガートナーが発表したマジック・クアドラントのエンタープライズ向けファイル同期・共有ソリューションにおいて「クラウドサービスのベンチャーでは唯一BoxがCitrix、EMC、Accellionと同じくリーダーであり、ビジョナリーであることを証明してくれた」と述べ、米国でBoxが着実に評価されていることを紹介した。また事例として米国トヨタにおいて数千人レベルで利用が始まっていることを発表した。

 今後の開発の方向性に関してセキュリティやエンタープライズ向けのソリューションが予定されていることを解説し、クラウド上のコンテンツに対して2段階の暗号化である「マネージドエンクリプション」とよばれる機能を提供予定であることを説明した。

これまでの開発の概要を紹介。マネージドエンクリプションは今後提供予定。
これまでの開発の概要を紹介。マネージドエンクリプションは今後提供予定。

 マネージドエンクリプションに関して、「暗号化されたファイルに対してNSAやFBIが開示のリクエストをしたらどうなるのか?」という質問には「マネージドエンクリプションにおいては暗号解読には2つのキーが必要であり、1つのキーはBoxが、もう1つのキーは顧客が保持することになる。その2つを利用する必要があるため、暗号解読には顧客からの明示的な合意が必要となる」と回答した。ただし、Boxのクラウドストレージは米国内にしか存在しないため、それぞれ国の法律に準拠したうえで米国内の法律が適用されるだろうと説明し、セキュリティに関してはより厳密な議論が必要となることを示唆した。

 以前に紹介したBitcasaも暗号化に関してはクライアント側だけで暗号化を行い、ユーザー以外誰も復号が出来ないというのをセキュリティの優位点としてあげていたが、セキュリティに関してはクラウドサービスにおいては避けて通れないハードルであることが改めて感じられた。

 そしてエンタープライズ向けのクラウドストレージとしては最後発のアマゾンが満を持して「Amazon Zocalo」を発表した。アマゾンはこれを企業向けの文書保存と共有サービスと称しているように開発者向けというよりもエンドユーザー向けのアプリケーションとみたほうがいいだろう。価格だけみれば、200GBで月$5とアマゾンらしくかなり安価だ。ちなみにBoxだと月$5だとストレージの上限サイズは100GBまでだ。単なるS3のコンシューマー版というよりも文書の履歴管理、レビューコメントの追加、ドメインを限定した閲覧範囲の設定など企業内外のユーザーに使い勝手の良さそうな機能追加がされている。

 まだ限定的なプレビューということだが、これまでのアマゾンのやり方を見ていると価格がこれ以上安くなるには時間が掛かりそうだが、同じ価格でストレージの増加は半年単位で行われるのではないだろうか。アマゾンAWSの持つスケールを十二分に活用した企業向けのクラウドストレージアプリケーション、Zocaloは来年のガートナーのマジック・クアドラントの目玉になるだろう。

参考サイト:
Box Named a Leader in First-ever Gartner Magic Quadrant for Enterprise File Synchronization and Sharing:http://www.businesswire.com/news/home/20140707005817/en/Box-Named-Leader-First-ever-Gartner-Magic-Quadrant

Box Empowers Toyota’s Cross-Affiliate Workforce: http://www.businesswire.com/news/home/20140709005330/en/Box-Empowers-Toyota

Amazon Zocalo:http://aws.typepad.com/aws_japan/2014/07/zocalo-doc-storage-sharing.html

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