デルは3月19日、自動階層化ストレージ「Dell Compellent」の新シリーズとして「Dell Storage SC4000シリーズ」を発表した。5月発売の第一弾製品「Dell Storage SC4020」は、上位機種が提供する機能をすべて備え、ドライブも内蔵したコンパクトなミッドレンジFCストレージアレイを提供する。
SC4020は、2Uサイズの筐体にデュアルコントローラと24台の2.5インチドライブを内蔵した、中小規模システム向けのFC SANストレージアレイ。8つのFCポートと4つのiSCSIポート(レプリケーション用/管理用で共用)を備える。
外部拡張エンクロージャー(SC200、SC220)の接続により、最大物理容量は413TBまで拡張することが可能。また、オプションの「Dell Compellent FS8600」フロントエンドを追加することでNASもサポートする。
ソフトウェアは「Storage Center 6.5」を採用しており、上位機種のSC8000コントローラと同じ自動階層化機能「Data Progression」を備えているため、「適正なデータが適切な場所に、適切なタイミングで、適切なコストで格納される」(デル)。またSC8000とのシームレスな統合管理も可能。フラッシュ(SSD)最適化も図られており、SSDによるオールフラッシュ構成やSSD/HDDハイブリッド構成の場合などにも適正なパフォーマンスを実現する。
SC4020の発売は5月であり、現時点では価格は公表されていない。ただし、デルは「アグレッシブな価格」で「2万5000~5万ドルのエントリーモデル市場」もターゲットにすると述べており、相応の価格レンジが予想される。
「すべてのホットデータをフラッシュに配置できる環境を」
今回デルは、SC4020を他地域に先駆けてアジア太平洋/日本地域(APJ)で発売する。これについて、発表会に出席した米デル ストレージ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのアラン・アトキンソン(Alan Atkinson)氏は、世界のミッドレンジFC SAN市場の大部分をAPJの売上が占めており、同製品による新規市場開拓にはまずAPJからだと考えたことを説明した。
またアトキンソン氏は、SC4020が狙う主要ターゲットとして「エントリーモデルの独立型ストレージ」と「エンタープライズの支店/部門向けコアエッジソリューション」を挙げた。前者は初めてSANを導入する企業に対し価格面での優位性を、後者はSC8000を本社導入している企業に、リモートオフィスとの間のスナップショット、DRといった管理の容易さをアピールしていく。
ミッドレンジ領域においても、デルは独自の“SSD階層化”アーキテクチャに基づく価格競争力で、オールフラッシュ化を推進していく方針だ。Dell Compellentでは、高性能なSLCと安価なMLCという2つのSSD階層をバランス良く組み合わせることで、SSDで高速HDD並の容量単価を実現している(関連記事)。アトキンソン氏は、「これまでにない“破壊的価格”でフラッシュストレージを提供していく」と語った。
「(ワークロードを選ばず、現実的な価格で)すべてのホットデータをフラッシュに配置して利用する。それを実現できるのはデルだけではないかと考えている」(アトキンソン氏)