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運用まで考えればVPNはNTT西日本 第1回

自前でのインターネットVPN運用はもうおしまい?

運用の手間をここまで減らせる「オールインワンネットワーク」

2014年03月10日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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企業の拠点間をセキュアに接続するVPN(Virtual Private Network)。これまでは安価なルーターを用いて、自前で構築・運用してきた企業が多かった。しかし、拠点数が増加したり、ルーターに障害が起こると、その運用負担は情報システム部の担当者に降りかかってくる。こうした運用負荷をどのように軽減すればよいだろうか?

インターネットVPNの課題は運用の負荷にあり

 本社と支社あるいは店舗、工場などを相互接続するため、従来から利用されているのが、インターネットVPNだ。不特定多数のユーザーが利用するインターネットでありながら、一定のセキュリティを確保したインターネットVPNは、専用線を直接引くよりもコストがかからない。設定の容易さや低価格を売りにするVPN製品も多く、コストに敏感な多くの中小企業に用いられている。

 しかし、インターネットVPNは運用を自前でやらなければならないという弱点がある。そのため、いざVPNに障害が起こった場合は、管理者自らがトラブルの原因を特定し、サービスを復旧しなければならない。現場に足を運んでルーターを再起動させたり、障害を起こした機器を交換する必要があるのだ。また、障害を起こしたルーターがなくなったら、新たにネットワークやVPNを設定し直さなければならない。拠点数自体が少なければともかく、10拠点を超える規模になった場合は、その運用負荷はきわめて大きくなる。

 こうした従来のインターネットVPNの課題について、NTT西日本 ビジネス営業本部 クラウドソリューション部 営業推進グループ 佐々木麻有氏は、「これまでのVPNは、回線はNTT西日本でも、VPNはISP事業者、機器はメーカーやSIerなど別々に申し込んでいただいていました。この場合、ネットワークに障害があっても、お客様の方で原因を切り分け、それぞれに問い合わせていただく必要がありました」と語る。

NTT西日本 ビジネス営業本部 クラウドソリューション部 営業推進グループ 佐々木 麻有氏

 NTT西日本の「Bizひかりクラウド オールインワンネットワーク フレッツ・VPN ワイド版」はこうした既存のインターネットVPNの弱点を解消するマネージド型VPNサービスだ。名前の通り、VPNに必要なものをパッケージ化することで「所有から利用へ」を実現した月額利用型サービスになる。さっそくサービスの概要を紹介していこう。

定番のフレッツ・VPN ワイドをもっと導入しやすく

 フレッツ・VPN ワイドは、フレッツ 光ネクスト、フレッツ・光プレミアム、Bフレッツ、フレッツ・ADSL、フレッツ・ISDNなどのインターネット接続サービスを用いたVPNサービスだ。NTT西日本エリア内の契約者同士で手軽にプライベートネットワークを構築し、ファイル共有やデータの送受信などが行なえる。専用線に比べて、安価なフレッツアクセスサービスを実現することでリーズナブルな定額料金が設定されている。

 また、インターネットを介さず特定の拠点と接続できるので、セキュリティが高いのも大きなメリット。特にフレッツ光 ネクストを利用すれば、フレッツナンバー等を用いた回線認証を実施できる。インターネットVPNとは異なり、仮にユーザーIDとパスワード等の認証情報がわかっていても、契約回線以外からは接続できないため、強固なセキュリティを保つことが可能だ。

 もちろん、NTT東日本エリアの拠点と接続したり、ギャランティ型の「ビジネスイーサワイド」と組み合わせることもでき、多彩なネットワーク構成に対応する。

 このフレッツ・VPN ワイドをさらに導入しやすくするため、2011年10月から展開されているのが、今回紹介する「Bizひかりクラウド オールインワンネットワーク フレッツ・VPN ワイド版」(以下、オールインワンネットワーク)だ。

 オールインワンネットワークは、フレッツ・VPNワイドにあった仕様をパッケージ化したイージーオーダー型の構築ネットワーク。標準提供されるのは、①ネットワークサービス、②アクセス回線、③ルーターレンタル、④遠隔監視、⑤運用報告の5つ。検証済みのネットワーク機器と標準的な構築手法で構築されているため、安定した品質を提供できるのが特徴だ。佐々木氏は、「VPNに必要なサービスをまとめたパッケージですので、専門知識がない方でも、ご導入いただけます。煩雑なネットワークの運用管理を通信のプロである弊社にまるごとお任せいただけるのが大きな魅力です」と説明する。

オールインワンネットワークで標準提供されるネットワークサービス、アクセス回線、ルーターレンタル、遠隔監視、運用報告の5つ

ルーター初期費用が不要!障害対応まで迅速に行なえる

 オールインワンネットワークで特にポイントとなるのは、ルーターレンタルの初期費用がかからないという点だ。佐々木氏は、「フレッツ・VPN ワイド自体はエントリVPNの中でも低廉なのですが、接続のためのネットワーク機器等の初期コストが高いと、どうしても導入のハードルは高くなります。しかし、オールインワンネットワークではレンタルルーターの初期工事費をいただかないため、初期投資が抑えられ、導入しやすいのではないかと考えています」と説明する。導入の初期費用を抑えることができるため、初めてVPNを導入する企業はもちろん、既存のインターネットVPNやエントリVPNのコストを見直したいという企業にもオススメできる。

 もう1つ特筆したいのは、遠隔監視により、障害の対応まで任せられるという点だ。24時間365日の遠隔監視により、ネットワークの異常をいち早く検出。リアルタイムにメールで通知を行なう。障害が発生した場合は、最寄りのNTT西日本グループの保守拠点から駆けつけ、代替機の取り替えを実施する。今までのようにエンドユーザー自身が複数の事業者に連絡する必要はなく、NTT西日本が完全にワンストップで提供する。「西日本エリアの広い範囲で駆け付け対応できるのは、NTT西日本ならではのメリットです」(佐々木氏)。オールインネットワークの場合、前述のとおり復旧手順が標準化されているため、迅速にサービスが復旧できるという。

複数の事業者に連絡する必要はなく、NTT西日本が完全にワンストップで提供

 多くの拠点を管理する情報システム部の担当者であれば、このサービスの価値は理解できるはずだ。「たとえば、小売りや飲食業などでは、店舗側でネットワークの障害を解決できる方はなかなかいません。ですから、いざネットワークが止まったときは復旧に時間がかかったり、本社の情報システム部に問い合わせが殺到し、本来の業務に集中できないことも想定されます。こうした課題に対して、オールインワンネットワークではフリーダイヤルに電話頂ければ、問診・切り分けのうえ、現地対応が必要な場合は保守担当者が駆けつけ、迅速に障害復旧できます」(佐々木氏)。

 ルーターは規模にあわせて3種類が用意されており、エンタープライズ向けのモデルでは1台で最大150拠点まで対応する。また、回線とルーターを冗長化したプランも用意されており、高い信頼性を実現することも可能だ。中小企業だけではなく、数多くの拠点を持つ大企業での需要にも十分耐えうる拡張性や信頼性を持っている。

回線とルーターを冗長化したプランも提供されており、高い信頼性を実現できる

無人拠点との通信やクラウドの足回りとしても採用

 このようにユーザーの課題に的確に応えるオールインワンネットワークだが、販売開始から時間を経て、業種業態を問わず、多くの企業に導入されている。佐々木氏は、「サービス開始直後に導入いただいたお客様からは、『小規模なネットワークをスピーディに構築できた』『予算化していなかったので、初期投資が小さいことが、ありがたい』『拠点に保守要員がいなかったので、運用が楽になった』など、喜びの声をいただいております」と語る。特に拠点数が多く、しかも統廃合の頻度が高い企業は、情報システム部の負荷も大きいので、導入メリットも大きいという。

 興味深いのは、ユーザー事例が本社-支社あるいは本社-営業所といった従来型の拠点間接続にとどまらない点だ。「金融機関や公共系のお客様では無人の監視カメラ用ネットワークとしてお使いいただいてますし、医療用の画像をデータセンターに蓄積するために使っている医療系のお客様もいます。また、クラウドサービス事業者が自社のアプリケーションを利用してもらうための足回りとして、オールインワンネットワークと込みでサービス提供している例もあります」(佐々木氏)とのことで、適用範囲は実に幅広い。導入や運用の負荷がかからない、セキュリティが高い、価格がリーズナブルなど、オールインワンネットワークの価値に多くの企業が気づきだしたということだろう。

 次回は、こうしたオールインワンネットワークのメリットを享受しているユーザー事例を紹介していこう。

(提供:NTT西日本)

[審査13-3342-1]

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