RiOS 8.5発表。旧製品と同じ価格帯で3倍速い「Steelhead CX」アプライアンスも
リバーベッド「RiOS」新版はアプリ単位でWAN経路振り分け
2013年08月20日 07時00分更新
リバーベッドテクノロジーは8月19日、WAN最適化ソリューション「Steelhead」向けのOS「RiOS」の新バージョンと、アプライアンスの新製品1機種を発表した。RiOS最新版では、マイクロソフトやネットアップ製品への対応を強化しているほか、アプリケーションごとにトラフィックを複数のWAN経路に振り分けられる機能を備えた。
RiOSの最新版となる「RiOS 8.5」では、新たに「Microsoft SharePoint 2013」のトラフィック最適化に対応した。具体的には、アプリケーションレベルでの遅延(レイテンシ)最適化、ファイル編集の高速化、SharePointの2種類のプロトコル(FPSE、WebDAV)に対する最適化が行われた。
またWindows 8やWindows Server 2012が利用する新たなファイル共有プロトコル(SMB3)や、Exchange 2013、Office365など、新しいマイクロソフト製品のトラフィック最適化にも対応している。
DR/遠隔レプリケーショントラフィックの最適化機能である「ストレージインテリジェント最適化機能」では、従来の「EMC SRDF」に加えて「NetApp SnapMirror」にも対応した。この機能は、複製されるデータセットが何のアプリケーションデータであるかを判別し、それぞれに適切な処理を適用するもの。重要度の高いデータセットの複製を優先し、重要度の低いデータセットによる処理負荷を低減させるといったことが可能になる。
経路選択機能で回線コストの抑制を
さらに、アプリケーションの種類やネットワークの状態(遅延値)に応じてネットワーク経路(パス)を自動で振り分ける「パスセレクション(経路選択)」機能も追加された。これにより、たとえば業務アプリケーションのトラフィックを信頼性の高いMPLSネットワークに、業務外のトラフィックを安価で広帯域なIP-VPNにそれぞれ振り分けて、回線コストを抑制することが可能となる。
説明会に出席したリバーベッドのシニアテクニカルコンサルタント、寺前滋人氏は、「顧客企業のネットワーク利用状況を調べてみると、圧倒的に業務外利用のトラフィックが多い」と指摘した。「こうした重要度の低いアプリケーションや広帯域を使うアプリケーションのトラフィックを、安価なIP-VPN回線に“逃がす”ことでベネフィットが生まれる」(寺前氏)。
なおRiOS 8.5は分析/レポートコンソール「Cascade Profiler」と統合されており、ネットワークの利用状況をアプリケーションレベルで詳細かつグラフィカルに把握できるようになっている。
ブランチオフィス向けSteelhead新モデル
小規模ブランチオフィス向けアプライアンスの「Steelhead CX255」は、従来製品(CX250)と同価格帯ながら3倍(最大6Mbps)のWANトラフィックに対応している。またサポートするTCPコネクション数は最大230。
CX255の本体参考価格は32万円(2Mbpsモデル)からで、今年第3四半期からの販売開始を予定している。