デルのセパレート型デスクトップは、エントリークラスの「Inspiron」シリーズと、ハイエンドクラスの「XPS」シリーズがある。今回紹介する「XPS 8700」は、最新の第4世代Intel Core i7を搭載し、グラフィックス機能も強化したモデルだ。「Dell Graphic Pro」シリーズと名付けられた、プロユースにも耐えるこのマシンを試用した。
なお、構成はBTOによって細かく変更できるが、今回はCore i7-4770(3.4GHz)にNVIDIA GeForce GTX660を組み合わせた上位構成の「XPS 8700 ハイパフォーマンスグラフィック搭載」というモデルを試用している。
一見シンプルだがエアフローもしっかり考えられたケース
箱から出した時の「XPS 8700」の印象は、非常にシンプルなケースというものだった。BTOに対応する直販系メーカーでエントリークラスのマシンによく採用されている、全体的にブラック基調で角をとり、フロントマスクに光沢のあるパーツを採用しているデザインだ。ぱっと見た印象はエントリークラスのInspironにも似ているのだが、よく見ると少しずつ違っている。
まず、フロント部分が下に向かって手前にせり出した形になっており、フロントパネルが上向きになっている。横から見ると底面部も手前側だけが少し持ち上がっており、天面も後ろに向かって傾斜。全体が傾いたような設計のケースだ。
持ち上がったフロント下部からは吸気が行なわれている。本体左側面にも下側の、内部だとグラフィックボードがあるあたりがメッシュ構造になっており空気が取り込める作りだ。
また、天面の前側は一部がくぼんだトレイ状になっており、そこにUSB端子などが配置されている。ここに接続しているスマートフォンや音楽プレーヤーなどを置いておくと、安定する仕組みだ。
「XPS 8700」のインターフェースは、フロント上部にマルチメディアカードリーダーがあり、中程にUSB 3.0端子×2がある。天面のトレイ部にUSB 2.0端子×2とマイク端子、ヘッドフォン端子がある。天面のUSB端子は天面に平行でも垂直でもなく、挿した手前側が持ち上がるように斜めに取り付けられているため、端子のつけ外しなどは手軽に行なえる。
背面には有線LAN端子、USB 2.0端子×2、USB 3.0端子×4、DisplayPort端子×1、オーディオ端子類がマザーボード側から出ている。このほかに搭載するグラフィックスカードによって映像出力端子が追加されるのだが、NVIDIA GeForce GTX660を試用機にはDVI端子×2、HDMI端子×1、DisplayPort×1が搭載されていた。
背面のインターフェースはムダなく、昨今のマシンに必要なものだけがそろっているという印象だ。フロント周りの配置が少々独特であるため、設置場所は工夫したい。デスクの上に置いてもよいが、それには本体サイズが幅185×奥行き444×高さ406.8mmと少しボリュームがある。デスク下に収めてしまうと天面の特徴的なインターフェースが使いづらい。デスクよりも少し低めの袖机などがあるならちょうどよいのだが、デスク下で少し手前にはみ出して置くような形がよいかもしれない。
キーボードとマウスは購入時に選択可能だが、試用機には有線接続のものが付属していた。アイソレーションタイプでテンキーのついたキーボードとホイールつきマウスの組み合わせだったが、同じ価格で英語キーボードも指定できる。
将来的な拡張にも対応可能
「XPS 8700」のケースの蓋は背面の手回しネジを1つはずすだけで、簡単にスライドして外すことができる。内部を見てみると、すっきりと余裕のあるレイアウトという印象だ。空間的な余裕が十分にあり、メモリの交換をするために別のパーツを外したりする必要はない。
大型のグラフィックスカードを支えるための柱が取り付けられているケースも多いが、このマシンの場合は長さを延長するようなパーツを介してドライブベイの側面に固定するようになっている。そのおかげで、中に手を入れて作業しやすい。
ドライブベイはHDD用に4本用意されている。HDDを光学式ドライブと平行に積むのではなく、垂直に置くタイプだ。試用機では32GBのSSDと2TBのHDDを搭載しており、空きベイがある状態だった。将来的に拡張を考えているユーザーにも、十分応えてくれるケースだ。ちなみに光学式ドライブはブルーレイコンボドライブを搭載しており、5インチベイも1つ空いている。
次回は、「XPS 8700」の使い勝手やベンチマークによる性能評価を紹介しよう。