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テンプレートと構成済みハードウェアで「ITサービス展開を加速」

デルが統合インフラ製品「Active Infrastructure」販売開始

2013年07月03日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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デルは7月2日、コンバージド(統合型)インフラ製品「Dell Active Infrastructure」の国内販売開始を発表した。エンタープライズアプリケーションやIaaSなど特定のワークロードに最適なシステムを、事前検証済みテンプレートとハードウェアの組み合わせとして提供し、ITサービス展開の迅速化や省力化を図る。

テンプレートベースで作業を自動化

 Active Infrastructureは、業務アプリケーションや仮想デスクトップ、プライベートクラウドの展開をテンプレートベースで自動化する「Active Solutions」、統合管理ソフトウェア「Active System Manager」、事前構成済みのハードウェア「Active Systems」という3つの要素で構成される。出荷開始は8月2日より。

Active Infrastructureの構成。プロビジョニングの自動化ソリューション、統合管理ソフトウェア、統合ハードウェアから成る

 Active Solutionsは、特定のワークロードに適した仮想マシンやデータベースの構成を「ワークロード・テンプレート」として提供することで、管理者のプロビジョニング作業を大幅に省力化、短時間化するソリューション。

 発売開始時点では、「Microsoft Exchange」「Sharepoint」「SQL Server」「Lync」などのエンタープライズアプリケーション、CitrixやVMwareなどの仮想デスクトップ環境(VDI)、「Microsoft Fast Track」のプライベートクラウドに対応したテンプレートが提供される。今後もテンプレートは拡充されるほか、顧客が独自に作成することも可能である。

 Active System Managerは、2012年11月にデルが買収したゲイル・テクノロジーのインフラ自動化ソフトウェアをベースとした管理製品で、ワークロードとインフラの管理レイヤーを一元化し、単一コンソールからシステム全体の管理を可能にする。Active Systemsの管理が基本だが、その他のデル製ハードウェアや「Cisco Nexus 5000」などのサードパーティ製ハードウェアを構成に加えて管理することもできる。

 Active Systemsは、サーバー、ストレージ、ネットワークスイッチと仮想化ソフトウェア(「VMware ESX」または「Hyper-V」)を事前構成済みで出荷する製品で、システム規模や目的に応じて4つのモデルが用意されている。最小モデルのActive System 50の場合、「PowerEdge R620」×2台、「EqualLogic PS6110X」×1台、「PowerConnect 7024」×4台の構成で895万円から(配送、導入、保守などサービスを含む税込価格)。

左からActive System 50、200、800、1000

 デルではActive Infrastructureを、中堅規模以上の企業における部門別プライベート・クラウド基盤や、データセンター事業者などにおけるホスティング向けインフラ・パッケージとして展開していく。

 なおデルでは、2012年からプライベート・クラウド向けアプライアンス「vStart」を販売していたが(関連記事)、今回のActive Infrastructure販売開始に伴い製品統合される。

コンセプトは「アクティブ・スケール」

デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長の町田栄作氏

 デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長の町田栄作氏は、Active Infrastructureは、スケールアップでもスケールアウトでもない第3のITデプロイメント・モデル「アクティブ・スケール」をコンセプトとした製品だと説明した。これは、スケーラブルでオープン、標準化されたプラットフォームを基盤としながら、運用管理のサイロ化を防ぎ、TCOを低く抑えるという考えだ。

 また、デル マーケティング統括本部 エンタープライズサービス&ソリューションマーケティング本部 サーバブレンド マネージャの木村一仁氏は、Active Infrastructureの最大の狙いは「ITサービスのデリバリーをとにかく加速していくこと」だと語った。さらに木村氏は海外での導入事例として、新しい仮想化インフラの実装スピードが6倍になったケース、複雑な仮想化クラスタ展開のための作業ステップが99%削減されたケースなどを紹介し、ITサービス・デリバリの迅速化や省力化に大きな効果が期待できることを強調した。

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