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Apple Geeks 第109回

Wi-Fi環境のない場所でApple TVやプリンターを使う

2013年04月05日 10時30分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

iPhone 5を「Wi-Fi AP」として活用する

 iPhone 5の発売で話題となった「テザリング」。米国など一部の国/地域では、iOS 4.3から同機能(名称は「Personal HotSpot」)が提供されていたが、日本のソフトバンクとauは導入を見送っていた。LTE通信網が前倒しで整備されるなど環境が充実してきたことを受け、両社ともiPhone 5の発売にあわせサービス開始に踏み切った。

 そのテザリング、正しくは「インターネット共有」という。iPhoneが通信回線を提供しルーティングを行なうことで、ノートPCやタブレットなどのクライアントが3G/LTE回線経由でインターネットにアクセスできるようにする。名実ともに、iPhone 5を「モバイルルーター」として使う機能だ。

日本ではiPhone 5からサポートされた「インターネット共有」。使途はテザリングのみにあらず

 しかし、iPhone 5の3G/LTE回線を共有することだけが、同機能のメリットではない。他の端末が3つの経路(Wi-Fi/Bluetooth/Lightningケーブル)経由でiPhone 5に接続できること、特にWi-Fi経由で接続できることは、ネットワーク対応のデジタル機器を使う際大きなメリットがある。インターネットへの入口としてではなく、「持ち運び可能なWi-Fiアクセスポイント(以下、Wi-Fi AP)」として見ることがポイントだ。

Wi-Fi環境なしでも「Apple TV」は使える!

 「Wi-Fi APとしてのiPhone 5」がもっとも活躍する場面は、Apple TVAirPlayで映像/音声を出力したいがWi-Fi環境がないとき、ではないだろうか。テレビとの接続にHDMIケーブルが必須なことと、リモコンで操作してWi-Fi設定を行なわなければならない点は回避しようがないが、ルーターやWi-Fi機器がない場所でもApple TVを活用できる。

 たとえば、老いた両親のもとへ帰省するとしよう。iPhone 5に撮りためた写真をテレビの大画面で見せたいが、Wi-Fi環境はない。しかし、地デジ移行の恩恵(?)か、HDMI端子を備えた薄型テレビはある。そこにApple TVをつなぎ、(インターネット共有を有効にした)iPhone 5にWi-Fi接続するのだ。これで、ルーターやWi-Fi機器がなくても、AirPlayで写真やビデオをテレビに映し出せる。

Apple TVのWi-Fi設定画面で、接続先にiPhone 5を指定する。リモコンでパスワード入力しなければならないが、使い方は実物のルーター/Wi-Fi APに接続するときとまったく同じ

 当然、AirPlayミラーリングもOKだから、会議のときスライドを映すといったビジネス目的にも活用できる。テレビにかぎらず、HDMI端子付きのプロジェクターを利用してもいいだろう。持ち運びに苦労しないApple TVだから可能な活用術といえる。

Apple TVをインターネット共有(テザリング)を有効にしたiPhone 5に接続し、そのApple TVにAirPlayミラーリングすることができる

 ここでは例としてApple TVを利用したが、ほかの機器でも同じように扱える。Wi-Fi接続をサポートしたデバイス限定だが、テレビやビデオレコーダー、AVアンプなどをiPhone 5に接続すれば、ルーター/Wi-Fi APなしでもネットワーク機能を利用できる。テレビの大画面に写真を映したり、オーディオセットで曲を聴いたり、「Twonky Beam」でテレビ番組を見たり……いろいろな活用法が考えられるはずだ。

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